『魔法の天使クリィミーマミ ロング・グッドバイ』伝説のスペシャルエンディングに繋がっていく最後のエピソード

■監督:望月智充
■1985年
■55分

 

テレビ、OVA、劇場用アニメ…
玉石混交、色とりどりのさまざまな作品が生まれた80年代アニメ界。
そこに、ひときわまばゆい光を放ちながら降臨した『魔法の天使クリィミーマミ』!

 

 

その最後のエピソードは、最高のファイナル・ステージを見せてくれたテレビシリーズの終了後にOVAで語られた。
それが本作『ロング・グッドバイ』。
これにてホントにロング・グッドバイ!

 

 

テレビシリーズのファンに向けて贈られた最高のアンコール的OVA『魔法の天使クリィミーマミ 永遠のワンスモア』から3年後のこと。

 

 

天使じゃない普通の女の子として過ごしていた優は小学校を卒業。
「えっ!?もうブラつけてるの?私まだ!」「優はまだいらないんじゃない?」「ひどーい!」みたいなガールズトークを繰り広げるお年頃になっていた。

 

 

そんな、4月からはもう中学生という春休みのこと。
マミ無きあと、名実ともにパルテノンプロの看板スターとなり、社長の立花とも結婚が決まった めぐみの、新作映画の製作が発表された。

 

 

休みでヒマこいてた優たちはお手伝いスタッフとしてワクワク楽しく参加することに。
しかしそんな中、優の体に異変が!
魔法の力を返したはずの優が、なんと、とつぜん、再び、クリィミーマミに変身!

 

 

しかも立花に姿を見られ、問答無用で強引に映画に出演することに。
どうやら、お日様が出ている間はマミに変身、夜になると優に戻ってしまうという困った謎の怪現象らしい。
愛しの俊夫に協力してもらいつつ、正体がバレぬよう、マミとして現役時代以上にスリリングな撮影を続ける優。

 

 

そんな大変な毎日のある夜のこと。
夢かうつつか、優の前に懐かしの、あのネガ&ポジが再び姿を現わすのだった…
このたびの謎めいた変身の真相とは?
そして優ははたして普通の女の子に戻れるのか?

 

 

SDキャラが繰り広げるコントのような凝ったオープニングから楽しさ全開!
そしてタイトル画面には、何気に作中の「ある秘密」が微妙に忍び込ませてありニヤリ!

 

 

そう!
本作、あのSF伝奇ミステリーアクションアドベンチャーラブストーリーOVAの良作『ラブ・ポジション』と同じく、このころ全地球人をドキドキさせていた《ハ〇ー〇星》をぶち込んだ作品なのだ!

 

 

また、3年という月日の経過がもたらしたキャラクターたちの微妙な変化や成長を見事にデザインした高田明美さんの匠な仕事っぷりが凄い。
特に、パンチラ全開で走り回っていたあの優の成長した姿には、俊夫ならずとも思わずハッとすること間違いなし。

 

 

その俊夫も凛々しい「男の顔」になっており、優がお嫁さんに行きたがるのも納得の頼もしい魅力を随所でムンムンと発揮している。

 

 

そんな優たちがスタッフとして参加する、押井守監督ならぬ、星井守監督作品『二つの世界の物語』のメイキングシーンはもう最高!

 

 

みんなを乗せて撮影所に向かうバスの中のカラオケで、マミの持ち歌『BIN・KANルージュ』を最初はしぶしぶ、途中からはノリノリでめぐみ(声:島津冴子さん)が歌い、続いてみんなで合唱し、最後は本家クリィミーマミがマイクを握る!

 

 

ここで早くも気分は最高にハイ!幸福感トップギアでそのまま撮影現場に突入!
押井守さんはもちろん、伊藤和典さんなど、スタジオぴえろの実際のスタッフの方々をイメージしたキャラも登場!

 

 

演出、特撮、合成などにマニアックなこだわりを見せるという楽屋落ち的ネタや、異常に凝った撮影現場の描写などをはさみつつ、みんなでワイワイ映画作りに没頭する様子は、まるで『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』の、あの「文化祭準備シーン」のような、永遠に続いて欲しいお祭りワッショイ感に満ちている。

 

 

おっちょこちょいのマネージャー木所(きどころ)が、実は気配りのきくナイスなお姉さん めぐみへの純情をエネルギーにして、一気呵成に描き上げた脚本を元に、みんなで作り上げたSFファンタジー映画『二つの世界の物語』。

 

 

この劇中劇の完成披露試写会で実際に画面に映し出されるシーンは短いながらも見応え満点!
ソードアクション、変形メカ、板野サーカスともドッグファイト上等なミサイルまみれの空中戦などなどが、凝りに凝ったこだわりの高クオリティーな作画で炸裂しまくっている。

 

 

派手なアクションと共に、静かなシーンも美しい。
大変な撮影の日々の中、優はこのたびの変身騒動の真相を知り、「ある選択」をせまられる。
優が選んだのは…

 

 

やわらかな朝の光の中、自分が選択した「ロング・グッドバイ」に、切なさはあれど後悔はなく、静かに微笑む優の姿は、クリィミーマミ史上、最も感動的で美しいシーンだと思う。

 

 

こうしてまた1つ大人の階段を昇った優には、本作のラストでファースト○○シーンが待っている。
中1の頃は、女子の皆さんに話しかけられると緊張のあまり体がチンチンよりもカチンコチンに硬くなり、汗が滝のごとく吹き出し、さくらんぼぐらい真っ赤になってまったくトークできないアイアンチェリーだった私からすると、優ちゃんはちょっと早すぎる気もする。

 

 

しかし彼女はきっと、手に入れたこの「自分の魔法」を、ネガ&ポジの言葉通り、失くすことなく、ピュアに一途に持ち続けたのだろう。
本作のラストは、テレビシリーズ最終回のあの「伝説のスペシャルエンディング」に美しく幸福に繋がっていくのだ。

 

 

  • オススメ度…80/100
  • 無料動画の配信…Youtube(他のOVAのシーンを加えて再編集したテレビ放映版。すごく貴重かも!)
  • 有料動画の配信…Amazonプライム(観れなくなってますね…映像がキレイだったのに残念! 2022年8月20日)
  • ソフトのレンタル…なし
  • ソフトの販売…DVD、Blu-ray BOXに収録あり!
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森沢優は、10歳の活発な女の子。ある日、夢嵐に巻き込まれたフェザースターの船を助けたお礼にと、妖精ピノピノから期限付きで魔法の力を授かる。ちょっとだけ大人の姿に変身できるようになった優は、謎のアイドル歌手・クリィミーマミとしてデビューすることに。正体を明かせない優の、1年間の二重生活が始まった!©ぴえろ
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魔法の天使 クリィミーマミ ロング・グッドバイ
TVシリーズの後日談を描いたOVA作品。セントレミー学園小等部の卒業式の後、優は俊夫と一緒にパルテノンプロの社長・立花とめぐみの婚約発表記者会を見に行く。一方、マネージャーの木所は、めぐみ主演のSF映画のシナリオを書いていたが、めぐみと共演するもう一人の女優が決まらずにいた。そんな時、魔法の力を返したはずの優が、突然マ……
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