■監督:望月智充&伊藤和典
■1986年
■45分
地球上の全アニメファンの止まないカーテンコールに応え、魔法の天使クリィミーマミがまたまたステージに降臨!
OVA4作目にして、『ラブリー・セレナーデ』に続く音楽全集の第2弾にして、さみしいけれど最後の作品。
しかしションボリするべからず!
最後だけに、なかなかのサービス大盤振る舞い!
テレビシリーズ+OVAの切り抜き名場面集と、なんと菊地通隆(きくち みちたか)さんも参加のフル新作画の新曲を4つも収録!
そのうちの3曲はゴリゴリに凝ったミュージックビデオ。
そして最後の1曲は「マミとめぐみのジョイントライブ」というファン総立ちまちがいなしの内容になっている。
名場面集は、おなじみのBGMやマミのヒットナンバーのなぜかカラオケバージョンに合わせ、「変身」「コスチューム」「走る!」などなど、細かくカテゴリー分けされたシーンを、セリフ無しの映像のみで、ときどきなぜか倍速スピードで流しまくるという謎アヴァンギャルドかつボリュームたっぷりな内容。
あの数々の想い出の名場面が、奇妙な味わいのサイレント映画のような意外な形態に驚きのトランスフォームをしてファンのハートを静かに直撃!
中でも、めぐみの必殺ビンタ百連発が立花の頬に炸裂しまくるだけの「ザ・ビンタ」や、優にゾッコンお熱だったみどりちゃんが編集したかのような、胸キュンしぐさ&スク水、お風呂、全開パンチラシーンなどが真心を込めてギュッと詰め込まれた「かわいい優ちゃん」など、ニヤリ必至のカテゴリーも多し!
そしてこのOVAの最大の見どころ&聴きどころ、新作画による新曲!
その一発目は『魔法の砂時計』。
本編で演出を手がけてこられた望月智充さんが作詞。
恋する少女の「大人になることへの恐れと憧れ」が軽快なメロディーにのせて歌われる。
いつもよりお姉さんっぽい歌い方の太田貴子さんにドキドキ。
作画もとても美しく、窓辺でそよ風に吹かれてまどろむ、あどけない優の姿には、みどりちゃんならずとも見とれてしまうだろう。
実写風景との合成も、今までの『マミ』にはなかった斬新な試みで面白い。
『渚のメモリー』は、マミのパイセン、めぐみの歌。
作曲はあの久石譲さん。
そして歌はもちろん、作詞も めぐみを演じた島津冴子さんご自身によるもの。
出会った頃のときめきを失ってしまった恋人への切ない想いを、あの艶っぽいお姉様ボイスでしっとりと歌い上げる。
めぐみと立花の関係を描いたアダルトなムード満点の作画も『マミ』の中では異色で際立つ。
マミをライバル視してヒステリーを起こしたり、立花にビンタかましたりするいつものめぐみとは違う、落ち着いた大人の女性のたたずまいにドキッとすることまちがいなし。
そして3曲目。
『魔法の天使クリィミーマミ』という、《スタジオぴえろ魔法少女シリーズ》最初にして最高の天使を降臨させた最高の皆さまのスタッフロールに合わせて流れるのは『I Can’t Say“Bye-Bye』。
作詞作曲は、嫌いな人は地球上にもフェザースターにも存在しない完璧な名曲『デリケートに好きして』の古田喜昭さんである。
もう少しの間だけ、終わりから逃れることを懇願するような、ずっと『マミ』を観続けてきたファンの気持ちともシンクロするような、まさに終盤にふさわしい切ない歌。
しかし、スタッフロールも曲も終わり、ついに『魔法の天使クリィミーマミ』という作品にも終わりが来てしまったと思った後に…
そう!
暗転して、アップテンポなこの曲『MA・WA・LE・MI・GI』が、最高のアンコールのように流れ始めるのだ!
歌うのはマミ&めぐみ。2人のジョイントライブ。
そして、俊夫、みどり、愛、守という優の友だちオールスターズもバンドメンバーとして参加。
さらに途中、満員の観衆の前でマミは優に逆変身!
やさしくほほえみかけるめぐみとデュエットを続ける!
まるで、秘密を1人で抱えてきた優の ありのまますべてをみんなが受け入れ、終わりではなく新しい始まりを祝福してくれているような、涙腺崩壊必至の感動的な奇跡の瞬間である。
マミの…いや、優の この幸せな夢のようなファイナルステージをぜひ!
- オススメ度…61/100
- 無料動画の配信…Youtube(新曲の部分のみ)
- 有料動画の配信…なし
- ソフトのレンタル…なし
- ソフトの販売…Blu-ray BOX、DVD BOXに収録あり!
■『魔法の天使クリィミーマミ』のOVAシリーズ
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