『魔物語 愛しのベティ』 あの『実験人形ダミー・オスカー』の巨匠タッグが贈るラブコメ・アドベンチャー

■監督:佐藤真人(総監督は小池一夫)
■1986年
■53分

 

原作は、あの『実験人形ダミー・オスカー』を造り出した、小池一夫先生&叶精作先生の超巨匠タッグ。

 

 

『実験人形ダミー・オスカー』!
80年代の書店において、少年たちはちょっとドキドキしながら踏み込むアダルトな劇画コーナーで、なんかいつも『ゴルゴ13』のそばに置かれがちだった『実験人形ダミー・オスカー』!

 

 

何だかよくわからないSFチックなタイトル、表紙に描かれたゴージャスな金髪美女などなどが異様なオーラをかもし出し、書店を訪れた誰もがこの人形のことを心のどこかに抱かずにはおれず、『ゴルゴ13』でさえその存在感をけっして消すことはできなかった『実験人形ダミー・オスカー』!

 

 

いざページを開いてみれば、小池一夫先生のクセがすごいセリフと叶精作先生の超劇画力がスパーク!…しすぎたその異常なトンデモ迫力に、ハードなエロシーンが描かれているにもかかわらず、ビンカンな中高生のコックですらエレクチオンするのをためらった、あの『実験人形ダミー・オスカー』!

オスカーのコックの虜になった女性の喘ぎ声は「あ~ん❤」とかじゃなくて基本的に「うぎゃあああ!」などシャウト系

「アポロテクニック」ってなんだろう?

 

こうして何度もタイトルを言いたくなる、あの『実験人形ダミー・オスカー』!
ちなみに『実験人形ダミー・オスカー』のことが、もっと知りたくなった方は、世界一面白いマンガレビュアー、じゃまおくんが徒然なるままに書きまくっておられるこちらのコラムがオススメ。本編を読む前からニヤニヤ必至だ!↓

 

「これはファックではない訓練だ!」伝説のハードボイルドエロ劇画『実験人形ダミー・オスカー』 (2016年9月24日) - エキサイトニュース
今回ご紹介するのは『実験人形ダミー・オスカー』という作品。小池一夫先生と叶精作先生の巨匠コンビによる名作です。しかし、タイトルは知っているけど読んだことがない、という人も多いのでは……

 

とにもかくにも、その巨匠タッグが再び世に贈り出したのが、この『魔物語 愛しのベティ』。
チンピラヤクザの胆平(たんぺい)と魔女のベティが恋に落ち、異種族であるがゆえの様々な障害を乗り越え、愛を深めていくお話。

 

 

もちろん『実験人形ダミー・オスカー』に負けぬ迫力の変てこエロもてんこ盛り。
『アモン・サーガ』と共に劇場公開もされたOVA版でも、原作ほどではないにせよ、それは受け継がれており、確か当時は「エロアニメ」としてカテゴライズされていたように思う。

 

 

主人公の丹平の声は何と、あの三宅裕司さん。
原作よりもベティへの一途さ&好感度マシマシの主人公を、あのハスキーボイスで好演。作品タイトルの意味が浮かび上がる終盤の「ある叫び」はもらい泣き必至。

 

 

ヒロインのベティは滝沢久美子さん。
普段はロリチャーミングだが、ともすれば凶暴な本性が出てしまう魔女っ子を、見事な声音の使い分けで演じておられる。

 

 

女子高生にメタモルフォーゼし、丹平を誘惑、二人の恋路の邪魔をするオジャ魔女のシバは松井菜桜子さん。
幻の『ドリームハンター麗夢 18禁版』ぐらいでしか聞けないと思ってた夢のようなセクシーボイスを惜しみなく披露。

 

 

そして主題歌は、80年代に大映のテレビドラマを中心に活躍され、馬上から話しかけられても、みんなメロメロ必至、男女問わず絶大な人気を誇った伊藤かずえさんである。

 

 

叶精作先生タッチを高水準で再現した絵柄はちょっと好みが分かれるかもしれない。
しかし、長い原作の序盤のストーリーの中からエピソードを巧みに取捨選択し、53分という枠の中で一本のお色気ラブコメ・アドベンチャーとしてうまくまとまっている。
このアニメ版はもちろん原作もぜひ!
そして『実験人形ダミー・オスカー』もぜひぜひ!

 

 

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