『テレパシスト愛Q315』怪作ひしめく80年代OVAの中でも最高のサイコっぷり！

■監督：原田さとし
■1985年
■26分

オリジナルVHSテープの姿はもはや人魚ぐらい見かけることはなく、その驚異の怪作度の高さが尾ひれをつけて伝説的に語り継がれている「80年代OVA界のUMA」こと『Little Mermaidシリーズ』！

その2作目が、この『テレパシスト愛Q315』である。
読み方は「テレパシストアイキューサイコ」。
何だかよくわからない作品タイトルだと思われるかもしれない。
しかしご安心を！
観終わっても何だかよくわからない！
シリーズ2作目にして最狂。カルト的人気を獲得しているのも大納得。
怪作ひしめく80年代OVAの中でも最高のサイコっぷりを誇る変テコ美少女エロファンタジーアクションである。

ストーリーはこんな感じ！
異世界に潜み、美少女たちをせっせとかどわかし、「ダーク祭（だーくさい）」なるエロ幼稚い儀式を行っているみだらな集団がいた。
その名はズバリ！ミダラ教！
きゃつらの目的は、教祖ダミアを復活させ、人間界を支配すること。
美少女たちはそのためのいけにえだった…

触手モンスターに美少女たちがエロむごいことをされている挿入部…じゃなかった導入部から場面は一転、人間界へ。

ダンサー志望の女子高生カオリはレッスンがうまくいかずションボリ。
仲間の愛しのチャーリー（なぜ外人ネーム？）に励まされ、スタジオの更衣室でリフレッシュしていると、妙な物音に気づき、ドアをオープン。
すると！
そこはなぜかミダラ教が巣食う異世界とつながっており、美少女をレイプ真っ最中のモンスターたちが中からコンニチワ！カオリ、乙女のピンチ！

しかし「なんなの!?」と困惑しつつも突然、レオタードから「たびびとのふく」みたいなドラクエ初期装備コーデに変身！目覚めたサイキックパワーでかいしんの一撃！見事に撃退！
突然すぎる急展開に観てるこちらも「なんなの!?」と困惑していると、痛コスプレイヤーみたいなナイト姿で登場したチャーリーが急いで解説。
カオリには、強力なサイキックパワーがあること…
チャーリーは、実はミダラ教と戦ってきたサイキックの世界の戦士であること…
あと1人、いけにえが捧げられれば、教祖ダミアが復活してしまうことなどなど…

さらにチャーリーは「IQ300以上の少女だけがいけにえになれる。IQ300以上のふりをしてサイキックの世界に潜り込み、一緒にダミアを倒してくれ！」というIQ低そうな作戦の遂行をカオリにムチャぶり！
唐突かつデンジャラス極まりないが愛する人の頼みとあれば断れない。
カオリはペガサスに乗り、チャーリーと共に旅立つ！
しかし、恐るべき敵と相まみえた時…
そこに信じたチャーリーの姿はなかったのであった…

上映時間たったの26分。
細かい説明は景気よく斬り飛ばした爆速スピード感がイカす。「RPG チートで最速クリア」みたいな、すばやさの高いストーリー。
セリフもいい。
「サラマンダさん。火遊びは良くないことよ。」
「みんなのサイキックを呼び起こすんだ！」
「IQ300以上の少女を得ることで、ダミア様の脳細胞はすばらしくなる。」などなど、随所に炸裂する中2セリフに喜びを感じた脳細胞はすばらしくなる。

『くりいむレモンパート3　超次元伝説ラル』とか『うろつき童子』ぐらい、いたる所に触手姦をグイグイ突っこんであり、エロシーン密度は高め！
しかし作画やムード作りなどが微妙なせいか、大変失礼ながら実用度は低め！
それに加えて後半のクライマックスでは、カオリが触手でグルグル巻きにされてすべての穴に挿入されてしまうエロ酷いシーンに《金閣寺》《タージマハル》《エッフェル塔》《自由の女神》などの実写映像をカットバックさせるという自由すぎる謎演出を挿入！

？

お口ポカンなところにさらに突っ込まれるダメ押し！
本作最大の見どころ、今なお語り草のアレ！
「ガバッと開かれたカオリの観音様に光輪を背負って観音様が降臨＆カオリに変身！股間から生まれ出た小さなカオリが大きなラスボスを撃つ！」という「あんたナニ言ってんの？どうかしてるんじゃないの？」と言われてもしかたない、どうかしてる気ちがイイシーンが炸裂！
かくしてここにカルトアニメの爆誕となったのであった。

色々と激しすぎた戦いの後…
去ってしまった愛する人の姿を探して街をさまようカオリの「チャーリーを探せ」なたたずまいと、そこにかかる前作『裸足の放課後』と同じ歌の使い回しも、最後まで独特かつ微妙すぎる余韻があって良い。

…と、このように、数々の変てこテイストと、日本アニメ史に残る謎シーンがブッ込まれた、狂おしいほど大興奮まちがいなしのトンデモ大迷作！
星の数ほどあるサイトの中からここを探し、たどり着いてくださった、おそらくIQ315ぐらいの頭脳をお持ちのイカすインテリなあなたなら、本作『テレパシスト愛Q315』を鑑賞後、きっとこう叫ぶだろう。
そう！
「315！（サイコー！）」と！