『女子大生 聖子ちゃん』 80年代トンデモエロOVA界のトップアイドル!

■監督:島谷陽一郎
■1984年
■25分

 

怪作珍作ひしめく80年代エロOVA界において、ぶっちぎりの強烈な存在感で完全に頭一つ抜けた、全然抜けないトップアイドル!
それが『女子大生 聖子ちゃん』である。
『7人のサンタクロース』でチビッ子のみんなに感動をお届けした島谷陽一郎監督が、今回は大人のあなたに聖なるトンデモ珍作18禁アニメをプレゼント!

 

 

ストーリーはそこらのAVに輪をかけてシンプル。
東京に住む女子大生の松川聖子は友だちの河田奈保子と2人で北海道旅行へ。
そこで国鉄(現JR)で働くイケメン(?)郷原ひろみに出会い、億千万の胸騒ぎ♥

 

 

しかし時間が限られた旅行中のためどうにもならず、泣く泣く東京に帰り「生まれ変わったら一緒になろうね」…とは全然ならず、郷原ひろみが待つ北海道へすぐまたGO!ゴールドフィンガーで秘密の花園をいじくられまくりあげる!

 

 

そう!
ここまでお読みいただき、気づいた方もおられるだろう。
松川聖子…
河田奈保子…
郷原ひろみ…
キャラクター名がすべて80年代にブイブイ言わせていた実在の歌手のみなさんのもじりになっているのである。
ついでに田辺俊彦、しまいには田口角栄なんていうキャラも登場!
山小屋でせっせとセックスしてた2人に説教をたれるなんていうロッキード事件もビックリのトンデモシーンまで飛び出すしまつ。
まぁ、その~、そういう感じの作品である!

 

田口角栄

まぁ、その~

 

ビデオをガチョンと挿入&再生したら、見なれた80年代ビデオブルーの画面に表示される見なれぬ「レッツ」というメーカーのロゴ。
アングラ魂をワクワクくすぐられながらレッツ視聴スタート!

 

 

AVの導入部丸出しのアバンタイトルで流れるオープニング曲は、なんとあの《ポタージュ》による『聖子旅立ち』!
私の知る限り、《ザ・ベストテン》では完全にお見かけすることのなかった完全に謎シンガーの、ポタージュだけに暖かな謎の歌に合わせ、画面の向こうからパワフルかつ安っぽくクルクル回転しつつ飛んでくるタイトル。
伝奇ファンタジーものでしか使われないような力強いフォント。

 

 

「なぜこのフォントをチョイス?」と首をかしげ、続いて始まる驚愕の本編に、折れるぐらいさらに首をかしげることに。
普通アニメっていうものは、作画崩壊回でもない限りは、まあまあなめらかに動くものである。
このなめらかさは、原画マンの方が描いた原画の間を、動画マンが埋めることで生まれる。
この作業を「中割り」という。
この動画の枚数が多いほど当然、動きはなめらかになる。
驚愕のなめらかさを誇る、昔のディズニーアニメなどは1秒間に24枚。これを「フルアニメ」と呼ぶ。

 

 

ところがこの『女子大生 聖子ちゃん』という作品。
その「なめらかさ」がなんとビックリ!いっさい無いのである!
一部だけ静止画になったり、カクカクしたりするならまだわかる。全然大丈夫。私のようなオッサン世代は『超時空要塞マクロス』で鍛えられているから。
スピード感を出すためにちょいと部分的にワザと中割りをしない場合もある。この作画テクを「中抜き」という。
しかしこの聖子ちゃん。作画崩壊回のミンメイばりに、全編ずっとカクカク紙芝居状態。フルアニメならぬフル紙芝居。中割り作業をまさかの全抜き!全部中抜き!

 

 

カットごとに頭身がまったく安定しない微妙なキャラたちが、そのカクカクした動きで腰をカクカク!ひたすらやりまくるのである。
このビックリクオリティな全部中抜き作画でどうやって抜けというのか!驚愕の実用度ゼロ!
声優さんはなかなか達者なお芝居をしておられるので、目を閉じて観たほうがまだ興奮できるかもしれない。

 

聖子ちゃんはバージンだったもよう。それはともかく右下の変な線。陰毛なのかシーツのシワなのかわからない。

 

また、作品中になぜか多用される、指が見えるんじゃないかっていうぐらい手動丸出しの、お父さんが撮った娘の運動会ビデオなみに勢い満点なズーム&パン!
必要な情報を丁寧に記入した小学生の絵日記のようなトホホ背景!

 

 

田中角栄の「まぁ、そのー」だけでなく、あの頃みんな使ってた「いいともー!」などの80年代ギャグ!

 

 

そしてなんといっても作中、2度繰り返される、ヒロミの姿にペンギンがオーバーラップする謎演出!

 

 

当時、松田聖子さんが英語でシットリと歌う名曲『SWEET MEMORIES』に合わせ、ペンギンキャラたちのほろ苦いロマンスがアニメで描かれるサントリー缶ビールのCMが大変な話題になり、『ペンギンズ・メモリー 幸福物語』という映画まで作られることになった。

 

 

そのオマージュというかパロディーなのであろうが、演出の意図が中途半端すぎて、ただひたすら意味不明な不可解なメモリーとして心に残ることに。

 

また、スタッフクレジットに「メカニックデザイン」とあるのですが…

 

 

メカ出てましたっけ?
思い浮かぶのはこの二つぐらいである。

 

メカ1

メカ2

 

昨今、日本のアニメは「クール ジャパ~ン」などと言われ、外国の方にも人気だと聞く。
しかし、この珍妙極まりない愛すべきトンデモ作品をもし観せたなら!ジャパニメーション大好き外人さんも!ひろみ郷ならずとも!きっとこう叫ぶだろう!
そう!
「エキゾチック・ジャパ~ン」と!

 

「FIN」て…

 

  • トンデモ度…100/100(実用度…/100)
  • 無料動画の配信…なし
  • 有料動画の配信…なし
  • ソフトのレンタル…なし
  • ソフトの販売…中古のVHSなどがオークションでたまに。なかなか視聴困難なもよう。見かけたらぜひサルベージを!

 

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Let’s視聴!

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