■監督:四分一節子
■1989年
■30分
マンガ、マンガ原作、脚本、小説などなど…
さまざまな分野で後に維新を起こす多くの大物クリエイターたちを輩出しまくった昭和のトップ養成所《劇画村塾》。
高橋留美子先生がまだ学生で、そこで一期生として修業をなさっていた頃のこと。
あの小池一夫塾長に「お前、天下取るぞ。」とお言葉を頂いたそうだ。
その予言を連載デビュー作にして瞬く間に現実のものとし、今なお輝き続ける驚異の作品。
そう!
『うる星やつら』である!
その魅力で天下のすべてのマンガ&アニメファンを参らせた『うる星やつら』は、原作の連載中にテレビシリーズが終了。
そのため、未アニメ化のエピソードが残ることとなった。
「どれもどえらい面白いのにもったいない!」ということでそれらはOVAでリリース。
全部で8作。
その3作目がこの『うる星やつら☆オリジナルビデオ 電気仕掛けの御庭番』である。
面堂終太郎は父に呼ばれ、由緒正しい面堂家の次期当主として「御庭番」(おにわばん)をつけるように言われる。
「御庭番」とは影のごとく常に主人の身辺に潜み、付き従い、ボディガードからスパイまで何でもしてくれる大変頼もしい「しもべの忍び」のことである。
その大役として呼ばれたのは、前にも大騒動を巻き起こした真吾。
面堂家の裏庭に繁殖した電気野菜のジャングルで育ち、テレビを自分の祖父殿と思い込んでいた褐色の電波少年だ。
その真吾が、終太郎の妹 了子に一目ぼれ!そのまま2人は駆け落ちを図る!
追う面堂、真吾の実の祖父殿、そしてもちろん突然ひょいと湧いて出たあたるとラムも乱入!
かくしていつも通りめでたく友引町に雷が落ち爆炎までバンバン上がる大ヘンな追いかけっこが始まったのだった。
連載後半「電飾の魔境」というエピソードで初登場し、電気ショックにビクともしない特異体質が生む笑いで4週の長きに渡って読者をしびれさせてくれた新キャラの真吾。
その2度目の登場回をOVA化。
忍びの真吾と刀使いの面堂が繰り広げる立ち回り、ラムの電撃、了子の手榴弾攻撃などなど、派手でキレのいいバトルアクション!
テレビっ子すぎてたびたび面堂にキレられる真吾と、いい感じにボケ気味でやたらと何かと孫をまちがえるその祖父殿が重ねる天丼ギャグ!
これら2つをたたみかけるようにテンポよく繰り出しつつ、電力全開で勢いよく一気に走り抜けるようなバトルギャグマラソン回。
『うる星やつら』とは幸福な終わらない追いかけっこの物語。
そんな『うる星やつら』らしい楽しさがスパークした電気仕掛けの1本である。
ちなみに普段着の虎縞ビキニじゃない、たまに見せるデート服姿のラムもかわいい。
恐るべき無慈悲な退屈お嬢様の了子も美しくチャーミング。
そしてラストは原作をちょっとボリュームアップ!ほとんど「ラムのぱふぱふ」状態に。
真吾ならずとも充電必至!
- オススメ度…65/100
- 無料動画の配信…Youtube
- 有料動画の配信…なし
- ソフトのレンタル…なし
- ソフトの販売…Blu-ray BOXあり!また『OVAカルテット』というDVD1巻に収録あり!
■OVA版『うる星やつら』の一覧です(作られた順)
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