『うる星やつら☆オリジナルビデオ渚のフィアンセ』まちがいのない傑作ホラーコメディ回のまちがいのないアニメ化！

■監督：四分一節子
■1988年
■30分

このサイトを訪れてくださっているそこのあなた様！
ええ歳こいてアニメマンガファミコンうんちしっこばかりな私なんぞのサイトを訪れてくださっている奇特でイカすそこのあなた様！
あなた様は《るーみっくわーるど》で言うと何世代の方でありましょうか？
『らんま1/2』世代？

それとも『犬夜叉』世代？

なんと！
2009年に始まった『境界のRINNE』世代とな!?

ありゃ～若いね～ナウなヤングじゃね～。
そんなみなさまとはなんかすべてに境界がありそうな昭和野郎の私はもちろんそう！
『うる星やつら』世代である！

そんな我が青春の『うる星やつら』には、数多く作られまくったテレビシリーズや映画でもアニメ化しきれなかった原作エピソードがある。
それらは『うる星やつら☆オリジナルビデオ』というシリーズで、OVAとして集中的にリリースされた。
全部で8作。
2作目がこの『渚のフィアンセ』である。

あたるたちは、極貧を極める竜之介と父の藤波親子が「300円」という大金で買い取った無人島に来ていた。
父は「海が好き！」といつも通り浜茶屋を開店するも無人島ゆえ当たり前だが客足は無し。いつも通り親子は大ゲンカ。

しかし夕闇がせまると、誰も来ないはずのそこにヒタヒタと足音が…そしてシャリシャリと何かをけずる音が…
とっぷりと日が暮れ、やっぱりコンバンワしたのは謎の父娘の幽霊！

２人の正体は？
亡くなった原因は？
娘の渚（なぎさ）は美少女なのに、なぜ宇宙で一番の浮気な男の子あたるや面堂はまったく手を出さないのか？

そして竜之介のことを「渚のフィアンセ」だと言い張る彼女が成仏できるたった一つの方法とは？
今…竜之介の貞操に危険がせまる！

星の数ほど登場するすべてのキャラがスペシャルに輝いてキャラ立ちしてる驚異の『うる星やつら』だが、このたびのゲストヒロイン（？）幽霊の渚もスペシャルにかわいい！特に声！

「この胸キュンボイス…どこかで繰り返し何度も何度も聞いたなじみのある声だな…」と思ったら、繰り返し何度も何度も観た『オネアミスの翼』のヒロイン、リイクニ役でおなじみ、弥生みつきさんであった。
かわいいだけでなく、途中「あるシーン」で声音がガラっと変わるのも芸達者。

もちろん他の女性キャラたちもかわいい。
いつもの虎縞ビキニではないラムとしのぶの水着ショット、そして不本意な男装の麗人にしてケンカの達人竜之介が持つ実は一番の男殺しの決め技「手ブラ」など、《るーみっくわーるど》らしいさわやかなお色気が炸裂！

このたびのエピソードを終幕に導くファンタジックかつご都合主義全開な『満月の夜の大ウニ伝説』が、唐突かつ堂々と目の前で繰り広げられるのも原作と同じく爆笑必至。
大ウニのとぼけたデザインとたたずまいも、潮渡父娘ならずとも「ウニが好き！」と叫びたくなるほど何ともチャーミング。

「あたると面堂はなぜかわいい渚にまったく手を出さないのか？」
いつもの女好きな2人の、男らしくない態度の謎が男らしくベロンと解けた後、朝日と共に顔を出すもう1つのオチ。
チャンチャンと2段構えでちゃんとオチており、いつもながらドタバタコメディとしてお見事な幕切れ。

原作は全34巻におよぶ言わずと知れた超人気長期連載作。
その終盤、32巻収録の、毎回のことながらまちがいのない傑作ホラーコメディ回のまちがいのないアニメ化。
「しのぶの怪力大暴れ」や「面堂の抜刀」などアニメ映えするアクションを随所に加え、原作の持つギャグの間などは損なうことなくしっかりニッコリさせてくれる、うる星ファンなら大満足の確かな完成度だ！