『シャイNing・めい』　大人だけ会いに行けるアイドル！

■監督：倉本豊、童子郎
■1985年
■26分

昨今のCGによる《バーチャル・アイドル》にはるかに先駆け80年代にも！
アニメーションによる《アニメ・アイドル》なるものが、何人かキラキラとスター誕生したものである。
例えば…
UFOにアブダクションされてアイドル変身能力をゲットした少女が大ブレイクしてしまう、魔法の天使クリィミーマミ！

このサイトでも以前レビューさせて頂いたOVAアイドル、「臆病なヴィーナス」こと桐田裕美子（きりたゆみこ）！

「あたりまえのラブソング」で宇宙大戦争を終わらせてしまう、言わずと知れたマクロスケールなスーパーアイドル、リン・ミンメイ！

そして…
シャイNing・めい！

このOVAでデビューした「シャイNing・めい」こと叶めいちゃんが他のアニメ・アイドルの皆さんとチョイとひと味違うのは「18歳未満観覧禁止」なとこである。つまり本作、18禁アダルトアニメ。大人だけ会いに行けるアイドル。それが…シャイNing・めい！

作品の構成はシンプル。
デビューほやほやで大人気のシンデレラ・ガール、叶めいちゃんのミュージックビデオやメイキング風景、グラビア撮影などの合間に、本人の「ある衝撃の告白」が差しはさまれていくというもの。

「ある衝撃の告白」とは？
実はこのめいちゃん。かなり気の滅入るワケあり少女。
まずは幼き日に父を亡くし！
その葬儀でなぜか母とセックスしてた悪モノに襲われ！
それがトラウマで男が怖くなり！彼氏の愛に応えられず！
歌手だった母は、実はデビューと引き換えにエロプロデューサーたちに枕を強要されており！
アイドルを目指すめいちゃんも歌の先生に襲われ！
そして夢だったデビューの時！まさに母と同じ選択をせまられたのであった…
シャイニング（発光）というより薄幸な昭和アイドル残酷物語。それが…シャイNing・めい！

モノローグや回想シーンを、ちょっと変な場所、順番、タイミングでグイグイ押し込んでくる独特なクセのある編集がされており、シンプルな話のはずなのになんかボンヤリと混乱する、奇妙な夢のような味わいがあってイカす。

作画は正直なところちょっとグラグラ安定しない。
しかし、出崎統監督ばりに「打つべし！打つべし！」と連打されまくる「止め絵演出」で使われるイラストは、一枚一枚どれも安定してとても美しい！
グラビアとして童貞の部屋に飾られるレベル。

また、作中でめいちゃんが披露してくれる2つの歌は、ちょっとビックリするぐらいちゃんと作られている。
きっと観たら道すがら「♪胸がドキドキ壊れそう～♥　ときめきシャイン　愛してる～♪」と、今日の私のようについつい口ずさんでしまい、下校中の女子中学生の皆さんに「通報3秒前！」の顔で見られること間違いなしのとても良いアイドルソングだ。

そしてエロアニメとしては「芸能界に入って汚れてしまう前に、綺麗な体をあの人に捧げたい…」と遂に決心しためいが呼び出したらバイクですぐ来た彼氏と結ばれるシーンが最大の見どころ。
部屋で！風呂で！夜空の下で！心ゆくまで求め合う2人…

正直なところ、今の基準で見ると、大変失礼ながら「見どころ」ではあるが「抜きどころ」と言うにはちょっと厳しいのかもしれない。
しかし、長丁場の濡れ場をやり抜いた声優さんの熱演はお2人ともお見事！
そうそう、彼氏のイチモツや発射シーンはもちろん、80年代セルアニメ必殺の作画技術「透過光」でキラキラとシャイニングしておりましたゾ！
それが…シャイNing・めい！