■監督:大森英敏
■1989年
■50分
80年代。
『BE-BOP-HIGHSCHOOL』と『湘南爆走族』の大ヒットにより、「後に続け!」と数多くの「ヤンキーもの」が生み出され、人気獲得の激烈な抗争を繰り広げていた。
そんなヤンキー漫画戦国時代の中、《週刊少年マガジン》をビシッとシメてた頼れる総番。
それがこの『おがみ松吾郎』である。
ケンカで叩きのめした相手を拝んで成仏させることから「おがみの松吾郎」の通り名を持つ、身長194センチの巨漢ツッパリ高校生、尾上松五郎と、彼を取り巻くキャラクターたちとの、ケンカ、友情、そして恋を、ギャグも満載で描いた作品だ。
この頃《週刊少年マガジン》には、私も号泣させられた山岳マンガの頂点『おれたちの頂』の塀内夏子先生が連載を持っておられた。
そしてこの『おがみ松吾郎』の作者、伊藤実先生(いとう みのる)も女性である。
そのためかこの作品、同年代の他の「ヤンキーもの」とはちょっと一味違う。
『BE-BOP-HIGHSCHOOL』を始めとする「リアルなヤンキーの生態」を描いた作品ではない。
昔の「番長もの」のような長ランをまとう主人公の松吾郎はタバコも吸わないし、もちろんカツアゲなど弱い者イジメは絶対にしない。
仁義、友情に熱く、超硬派で喧嘩は強いが女性にはめっぽう弱い。
「シュワルツェネッガーの大ファン」だという伊藤実先生の少女のような「ナイスタフガイあこがれ」が可憐に息づく、「こんなヤンキーはいない!」ではなく「こんなヤンキーいたらいいのにな!」というスタンスで描かれた、少女マンガ度高めのキラキラヤンキーファンタジーだ。
そんな大ヒット作品を、『重戦機エルガイム』のメカ作画などでおなじみ、アニメ界のフルメタル・ソルジャーこと大森英敏さん監督でOVA化。
松吾郎が憧れるお嬢様、小梅ちゃんの母親が営む保育園は陰険ヤクザ《講談組》の地上げに苦しんでいた。
「暴力は絶対反対!」の小梅ちゃんのため剛腕を封印しよう…としたけどやっぱしなかった松吾郎が大暴れ!
ステゴロでヤクザ軍団を叩きのめし、ガソリンタンクをかついで組事務所に殴りこみ!
ヤクザもドン引きな、ターミネーターばりのムチャクチャな活躍を魅せる松吾郎の雄姿に、スケ番・ローラーお京ならずとも惚れることまちがいなしだ!
- オススメ度…68/100
- 無料動画の配信…Youtube
- 有料動画の配信…なし
- ソフトのレンタル…なし
- ソフトの販売…中古のVHS