■監督:早川啓二
■1987年
■52分
80年代マンガ界において、まだまだ白かったスペースオペラというジャンルの地図に、シッカリと航路と道しるべを描き記した、長谷川祐一先生の偉大なる大ヒット代表作『マップス』。
ある日、突然、地球に天使型の超巨大宇宙船が飛来。
平凡な男子高生・十鬼島ゲン(ときしま げん)は、彼女もろともアブダクションされてしまう。
そこにいたのは謎の美女・リプミラ。
「おまえは宇宙的謎の秘宝《風まく光》のありかを示すマップマンなのだ!」と告げられたゲンは、困惑しつつも否応なしにスケールのデカすぎるお宝争奪戦に巻き込まれ、果てしない宇宙へと旅立つ。
秘宝《風まく光》とはいったい何なのか?
仲間たちと星々をめぐる壮大な冒険の旅の中、やがてゲンが目にするものは…
当時、私も多くのマンガ好きと同じく、天使の姿をした巨大宇宙船《リプミラ号》のデザインに衝撃を受けた。
使徒はすでに80年代の日本に襲来しており「スぺオペおもろいよ~!」と福音を告げに来ておられたのである!
そしてその《リプミラ号》に乗って南半乳丸出しコスで地球を訪れ、時々ポロリも忘れず、たまにモロ出しも辞さず、強く、かしこく、それでいて「人工生命体ビメイダーに心はあるのか?」な不憫さも併せ持つパーフェクトヒロイン、リプミラに当然メロメロになった。
『銀河鉄道999』を例に出すまでもなく「謎の美女と宇宙旅行」は全宇宙の童貞の夢。
ページをめくりながら、自分もこの旅の一行にファミコンのRPGみたいに加えてもらう妄想にモンモンふけったものである。
たまに出てくるリプミラのフェロモン全開のヌード!
ホント色っぽくて、あの頃、ありゃうれしかったナ!
このOVA版は原作の第1話に、後に因縁の敵となっていくクトゥルーも真っ青の恐るべき《銀河伝承族》のエピソードを巧みに組み込みんだもの。脚本を担当なさった寺田憲史さんの手腕が光る。
ラクガキ顔エスパーにして名コックのニュウ・エイブはもちろん、怪力マスコット《ツキメちゃん》など、リプミラ号のメインクルーも原作より一足早くほぼ勢ぞろい。にぎやかな船出にワクワク。
高層ビルの窓に映り込む《リプミラ号》の姿までキチンと描いた作画も美しく、開幕と同時にスペースオペラ感を最高まで盛り上げてくれる田中公平さんの音楽も素晴らしい。
個人的には、リプミラの髪の毛はブロンドのイメージがあったのだが、本作ではなぜかブルー。
これはなぜだろう?
ジャケ絵もちゃんと原作通りブロンドになっとるのだが…
人によってはこれだけほんのちょっとブルーになるかもだが、そんなことは銀河の中の塵ぐらい細かいこと。鑑賞後、友だちの全然いない私でさえも「さあみんな!冒険の始まりだ!」的なさわやかな高揚感に包まれる、見事な出来栄えの序章になっている。
宇宙翔ける大天使《リプミラ号》に乗ってゲンたちと共に冒険の旅に出よう!
- オススメ度…70/100
- 無料動画の配信…Youtube
- 有料動画の配信…なし
- ソフトのレンタル…なし
- ソフトの販売…中古のVHS