『沙羅曼蛇』
■監督:鳥海永行
■1987年
■53分
『沙羅曼蛇 BASIC SAGA パオラの瞑想』
■監督:鳥海永行
■1988年
■52分
『沙羅曼蛇 ADVANCED SAGA ゴーファーの野望』
■監督:鳥海永行
■1989年
■53分
1985年。
ゲームセンターに登場し、人々のハートを強力なレーザーのごとく撃ち抜いた歴史的名作シューティングゲーム『グラディウス』。
そして、その続編となる『沙羅曼蛇』はもっと衝撃だった。
暴走族ぐらい いかつい漢字タイトル。
友だちと一緒にゲーセンに行きたくなる魅惑ワクワクのデュアルプレイ。
増殖する細胞壁や悪性腫瘍のようなグチョグチョした地形やボスキャラたち。
そして何といっても、全編を包む炎のイメージ!特にあのプロミネンスである!
当時、ゲームセンターに通うみんなを魅了した、あの美しい『グラディウス』を、グロテスクと燃え上がる炎でパワーアップしたようなこの続編に完全に心焦がされた。
「次はどんな光景が、敵キャラが現れるんだろう…」と上手い人のプレイを後ろで食い入るように見つめたものである。
そして個人的にさらに驚いたのはファミコン版である。
「沙羅曼蛇は…さすがにファミコンの性能では難しいだろう…特にプロミネンスなんて絶対無理!」
そう思っていたのに、見事にコナミさんはやりとげた。中身がスケスケのスケルトンカセットも何かカッコよかった。
このOVAは『グラディウス』『沙羅曼蛇』『グラディウスⅡ』、そしてその後も続いていく壮大なサーガ、いわゆる『グラディウス・シリーズ』のアニメ化作品である。
タイトルには3作ともすべて『沙羅曼蛇』とつけられているが、それぞれの原作ゲームは下記の通り。
- 1作目『沙羅曼蛇』=『沙羅曼蛇』
- 2作目『沙羅曼蛇 BASIC SAGA パオラの瞑想』=『グラディウス』
- 3作目『沙羅曼蛇 ADVANCED SAGA ゴーファーの野望』=『グラディウスⅡ』
キャラクターデザインは80年代のトップアイドル・リンミンメイの生みの親、美樹本晴彦さん。
そして監督は神OVA『エリア88』などでおなじみ、手にかけた作品をいつも勝利へと導くアニメ界のベテランパイロット・鳥海永行(とりうみ ひさゆき)さん。何という豪華デュアルプレイ!
原作がシューティングゲームゆえ「敵を撃つ!」というシンプルにならざるを得ないストーリーに巧みに伏線や謎を盛り込み、それらが教科書のように美しくキチンと回収&解消され、ゲームクリア後みたいにスッキリ晴れやか気分。
作画のクオリティーも非常に高い。美樹本晴彦さんデザインのキャラクターたちが『テレビ版 超時空要塞マクロス』ハズレ回のヘタな狸のへんげ姿みたいにトランスフォームしたりせず、終始美しい。
そして、原作のゲームをプレイしたことがある人は思わずニヤリなシーン、音楽まで抜かりなく挿入。
「人気シューティングをアニメ化」という なかなかの無理ゲーを見事にクリアした、さすがの鳥海クオリティーな良作です!
- オススメ度…Ⅰ 73/100 Ⅱ 70/100 Ⅲ 72/100
- 無料動画の配信…Youtube(Ⅰ Ⅱ Ⅲ)
- 有料動画の配信…なし
- ソフトのレンタル…なし
- ソフトの販売…中古のVHS、レーザーディスク