「夢次元ハンター ファンドラ レム・ファイト編」
■監督:岡迫和之
■1985年
■35分
「夢次元ハンター ファンドラ partⅡ デッドランダー編」
■監督:吉田浩
■1986年
■43分
「夢次元ハンター ファンドラ partⅢ ファントス編」
■監督:影山楙倫
■1986年
■45分
全宇宙の調和をつかさどる、神が造りし赤と青の二つの宝珠…
青い宝珠を手にし、その絶大なパワーでこの世を支配せんともくろむ悪モノに、赤い宝珠の持ち主である一人の美少女戦士が立ち向かう!
そう!それがこの作品「夢次元ハンター パンチラ」!
あっ!まちがえた!「夢次元パンチラー ファンドラ」!
もとい「夢次元ハンター ファンドラ」である!
…と、このように図らずもタイトルを幾度となく言いまちがえてしまうぐらい、本作のヒロイン・ファンドラたんはパンチラ度高し。
とにかくもう、走ってはチラリ、跳んではチラリ、斬ってはチラリ、転がってはチラリ。咳をしてもチラリ。
ここまでチョイと動くたびにパンチラしまくる美少女キャラは、長きに渡る日本アニメ史の中でもファンドラとワカメちゃんだけである。
このへんのカメラ小僧が食らいつくようなお色気ムンムン感は、原案・永井豪先生のテイストがダイナミックに息づいているのかもしれない。
…っていうかチラリっていうか途中なんてもう、敵に捕まり、リングに上げられ、ゲスい観衆の前でパン一でプロレスまでさせられてました。
そのように数々のピンチをかいくぐり、次元から次元へ、星から星へ、全宇宙に股を見せて飛び回るファンドラは、敵とバトる時、赤い宝珠の神秘パワーでハニーフラッシュ!
劇中何度か描かれるこのシーンは、キメポーズやベストタイミングでかかる曲など、日本製変身ヒーロー&ヒロイン独特の伝統的カッコよさをキチンと踏襲したもので、男も女も否応なくアガるだろう。
「待ってました!」の変身に続いての戦闘シーンも見応え満点。
ドラクエⅢのあぶない水着ぐらい守備力低そうな露出度高いカッコで、パンツは見せても泣き顔は見せず、屈強な悪モノ相手に必死で戦う夢次元ハンター ファンドラたんに、あなたのハートもハントされること間違いなし。
作画もさすがのカナメプロ。
スーパーアニメーター・金田伊功さんの遺伝子が流れる躍動感あふれるスーパーアクションが「幻夢戦記レダの衝撃を再び!」と言わんばかりにはじけまくる!
特に「partⅢ」終盤の、それまでと違う淡い着色の戦闘シーンは、夢次元に迷い込んだような不思議なインパクトだ。クライマックスにふさわしく作画の美しさも全開。パンチラも全開。
敵の名前が「ヨグ・ソート・ソゴス」「カダス教団」だったりと暗黒神話ワードがアザトくない程度に出てくるのも好き者はニヤリテケリリ。
ファンドラ役の堀江美都子さんと橋本潮さんのWアニソン女王の歌が、劇中やエンディングでかかりまくるのもうれしい。
…と、なかなか楽しい見所ゴロゴロな作品。
ただ、これは観てて多くの方がギョッとするかもしれないが「partⅡ」だけ、なぜか作画のクオリティーがビックリするぐらいガックリ落ちる。
これは何か事情があったのだろうか?ファンドラも、マクロスのハズレ回の時のミンメイぐらい、いつもの本来のキャラ設定とまるで別人みたいだ。
ズコー!
しかしそんなちょっとイビツなところや展開が強引なところがチョイチョイあるのもファンドラのチャームポイントと思えばよろしい!
超時空作画な「partⅡ」で不安になりつつも観てると、続く「partⅢ」では鬱憤を晴らすようなフルパワーの美麗な作画が全編炸裂するので安心されたし。
ストーリーも、あの頃よくやったファミコンRPGのような、ヒロイックファンタジーの王道からブレない正しいゴールに到着。ちょっと自己中なとこが無きにしも非ずだったファンドラが、あるキャラの助言もあり、人間的にも戦士としてもレベルアップする凛々しいクライマックスと清々しい幕切れ。
パンツも見せて人としても一段成長を見せてくれたファンドラに、拍手以外に何を贈ると言うのか。「ステレオタイプッ!」などというステレオタイプな批判なんか知らん。
全3話に分かれているが基本的に続きものなので、最初から順番にぜんぶ観よう!