■監督:大庭寿太郎
■1986年
■25分
「君にめぐり逢うために 俺は生まれ生きてきたよ!」と、80年代のアニメファンをブラウン管の前にグイグイめぐり逢いに来させたロボットアニメ。
そう!
『超獣機神ダンクーガ』!
チビッ子ならずとも超合金が欲しくなる、驚きの謎を秘めた超複雑変形合体巨大ロボ!
「やってやるぜ!」が口ぐせのやたらとケンカっ早い主人公のおかげさまでぶつかり合いすぎる獣戦機隊のみんなの青春模様!
「ヒロインの元カレが敵!」という悲恋メロドラマ!
などなど…
この巨大ロボットアニメが装備した数々の魅力の中でも、もっともパワフルにアニメファンのハートを撃ち抜いた必殺の1つ!
そう!
「タイアップ丸出しも厭わぬクセがすごイイ歌」である!
みんなワクワク作ってた「俺ジナルアニソンベストカセットテープ」に『ダンクーガ』の数々の名曲を入れなかったアニメファンは昭和には存在しない。
そんな強力な獣戦機隊SONGSをたっぷり収録したスペシャルなミュージックビデオOVA。
それがこの『超獣機神ダンクーガ SONG SPECIAL 獣戦機隊SONGS』である。
本編からグッとくるイイ感じのシーンをピックアップ&編集し、そこに曲をかぶせるという、ファンの胸に『ダンクーガ』へのMemory of loveが去来してグッとくるイイ感じの作り。
全部で6曲を収録。
そして曲と曲の間には、あのシリアスな獣戦機隊員たちがコミカルな2頭身キャラになったりして おもしろミニコントを披露するSDダンクーガ・アイキャッチをインサート!
楽しいサービスの付いた、ファンはニッコリのOVAとなっている。
獣戦機隊の紅一点にして80年代アニメのトップヒロインの1人、沙羅がグラサンをはずす艶っぽい仕草に愛が燃え上がること必至のタイトル画面に続き、流れる1曲目は『バーニング・ラブ』!
第1期のエンディング。
しかしテレビシリーズとは違い、忍(矢尾一樹さん)、沙羅(山本百合子さん)、雅人(中原茂さん)がボーカルの獣戦機隊バージョン!
出だしでさっそく炸裂する矢尾一樹さんの魂をふりしぼるような渾身の「やってやるぜ!」が恐ろしくカッチョいい!テンション爆アガりまちがいなし。
山本百合子さんのハイトーンボイスも聞き心地満点。
曲に合わせて流れるのは「最後のあの特攻シーン」。
地球のために笑って命を捧げる4人の姿にあらためて胸が熱くバーニング!
2曲目は第1期オープニングの『愛よファラウェイ』。
まだあどけないロリボイス全開の新人アイドルだった藤原理恵さんを売り出すための、本編の内容とあんまり全然関係ない「タイアップ丸出しアイドルソング」ミーツ「超巨大合体ロボ」の変なハーモニー。
「これが妙にクセになる!」と、みんなこのハーモニーにラブしたものです。ハーモニーラブ。
このOVAでは、テレビシリーズ本編の名バトルシーンに合わせ、フル尺での披露。
拳法の達人、亮の動きとシンクロする闘将ダイモスいダンクーガのカッチョいい雄姿にもKO必至。
3曲目は、同じく藤原理恵さんの『ほんとのキスをお返しに』。
このチャーミングな名曲が激しい戦いに明け暮れる獣戦機隊たちの切ない恋愛エピソードシーンに合わせて流される。
第1期オープニング『愛よファラウェイ』は、タイアップ重視で本編の内容とあんまり全然関係ないアイドルソングだったが、第2期オープニングであるこの『ほんとのキスをお返しに』はさらに輪をかけて本編とほんとに全然関係ねえ!でもそんなの関係ねえ!
前にも書かせて頂いたが、昭和アニメ野郎たちというものはみんな全員『ダンクーガ』というと、なんだかんだでこの歌が真っ先に脳内ラジカセで再生され、たとえ社内朝礼中といえど景気よく口ずさんでしまうものではないであろうか?私だけであろうか?
♪ほんとのキ~ィッスをお返しにぃ~ 忘れないで欲しいから~ メモリ~オブラ~(Memory of love)♪
4曲目は第2期エンディングの『SHADOWY DREAM』。
「宇宙の頂点に立つ!」という野望にとりつかれ、恋人の沙羅を、そして地球を裏切り、敵となった男 シャピロをテーマにした曲。
強く賢いシャピロではあったが見果てぬ夢なかばで敗れ、すべてを失い、狂気の中で最期をむかえる。
そんな悲しい男の孤独と虚無を歌ったこの『SHADOWY DREAM』が、名曲ぞろいの『獣戦機隊SONGS』の中でも、私は実はぶっちぎりで一番好きなのである。
女性ファン悶絶の「シャピロ曼荼羅」とでも言うべき麗しいイラストが歌に合わせゆっくりと流れていくテレビ版のエンディングはもちろん最高だ。
しかし、歌詞はこのOVAで聞けるフル尺版が良い。
何度聞いても2番のサビのここ!
It’s no betraying
ぬくもり失くした男には
信じた恋人さえ
Shadowy dream
It’s no betraying
心に砂漠が広がって
陽炎ゆれている
nothing nothing aha…
(※注 「It’s no betraying」=「これは裏切りじゃないんよ」の意味である!)
ここ!
ここで、聞いてる私も心に砂漠が広がってスコールのごとくいつも大号泣してしまう。
この孤高と孤独と切なさがたまらん!
ちなみにこのOVAでは、謎の黒騎士と忍(しのぶ)の交流シーンに合わせて流される。
しかし、シャピロの歌なのだから、ここはシーンもシャピロったほうが良かったんじゃなかろうかとちょっと思う。
5曲目は『ためらいにピリオド』。
シャピロのテーマソング『SHADOWY DREAM』のドーナツ盤のB面だった曲である。
歌うのはシャピロの元カノ 沙羅!つまり山本百合子さん!
強がりだが本当は繊細。
そんなガラスのハート女子の気持ちを巧みに歌った山本百合子さんの確かなボーカル力が堪能できるナイス昭和歌謡な味わいの1曲。
最後の6曲目は『ALONE』。
このラストソングだけはたった1つ、曲も絵も完全新作!
歌うのは獣戦機隊のみなさん。
愛する人をまっすぐに追いかける力強いラブソングに合わせ、ALONEなたたずまいで街をさまよう忍と沙羅が、紙ひこうきに導かれるように出会う様子が描かれる。
また、80年代のナウい服に身を包み、オシャレトロな街並みでファッションモデルのようにポーズをキメる獣戦機隊の4人の姿もたっぷり見ることができる。
まるで当時のモテ男子必携誌《POPEYE》や《HotーDog press》の写真のようだ!
オカンチョイスの服に何の疑問も持たず身を包み、必携誌は《アニメージュ》や《OUT》で、完全に女子の皆さまからはOUTだった私は《POPEYE》や《HotーDog press》なんて1ページも開いたことがないが!
…と、そんなこんなでこのように『超獣機神ダンクーガ』というロボットアニメは、関係者の方々が「ミュージックビデオOVAのリリースもやってやるぜ!」と思わずにはおれぬ、印象的な楽曲が多い作品であった。
ちなみに獣戦機隊の声優の皆さまはLIVEも敢行し、その模様を収録した『獣戦機隊ライブビデオ やってやるぜ!』がリリースされた。
矢尾一樹さん(忍)、山本百合子さん(沙羅)、中原茂さん(雅人)のお三方が『ダンクーガ』の楽曲はもちろん、アルフィー、TUBE、荻野目洋子、尾崎豊などなど…様々なアーティストの歌もカバー!
ゲストでちゃんときてくれたクールかつシャイな塩沢兼人さん(亮)の『ラブ イズ オーバー』まで聞けてしまうという、ライブハウスが狂乱の豪華カラオケボックスと化した大変楽しいビデオである。
しかしなぜか円盤化も配信もnothing nothing aha…
著作権的には完全にゴニョゴニョな感じではあるが「なんちゃらチューブ」とかいう所で観れるらしい。
興味のある方はナイショで視聴をやってやるぜしよう!
- オススメ度…62/100(ダンクーガのファン向け)
- 無料動画の配信…Youtube
- 有料動画の配信…Amazonプライムビデオ
- ソフトのレンタル…なし
- ソフトの販売…Blu-ray BOXの1巻に収録!
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