■監督:森川滋
■1989年
■25分
原作マンガもテレビアニメも大ヒットした、80年代を代表する胸キュン青春プチSFラブストーリー『きまぐれオレンジ☆ロード』。
テレビアニメ版の放映は毎週月曜日の夜7時半。
鶴ひろみさん演じるヒロイン まどかさんに会えるように、80年代の日本のすべての青少年は、この時ばかりは夜遊びなんかせず、オレンジロードならぬ俺んちロードを全力で急いだのである!
《週刊少年ジャンプ》に長期連載中だった原作とラストエピソードの内容は違うが、しかし同じように幸福な結末を迎えたこのテレビアニメ版。
放映が終わっても人気は終わらず、いくつかOVAが作られた。
冬のスキー場が舞台のすべらない良作恋バナ『白い恋人たち』が1作目。
続く2作目は夏!
永遠の夏休みの島《ハワイ》が舞台の、この『ハワイアン サスペンス』である。
恭介と まどか と ひかる。
「本当は誰が誰を好きなのか?」
想いがバレたら壊れてしまうスリリングな変則三角関係のいつもの3人は常夏の楽園、ハワイに来ていた。
世界的な音楽家である まどかの両親のコンサートに招待されたためだ。
時間まで極上のリゾートを満喫する3人。
しかしそんな天国の時、突然、何者かに ひかるが誘拐されてしまう!
犯人の正体、そして目的は?
ひかるの運命は?
恭介とまどかは手がかりを追い、見知らぬ異国の島を駆けめぐる!
80年代アニメの必殺ビーム「透過光」を大胆に使ったまぶしいハワイの常夏表現、多用されるパステル調の止め絵、絵日記風の背景などが、遠い日の夏休みに迷いこんだような、真夏の白昼夢のような、ちょっと不思議に懐かしい、幻想的な雰囲気を醸し出している。
本作は、そんな中で繰り広げられるハードボイルド・ミステリー回にして眼福水着サービス回。
さすがハワイだけに、2人のヒロインのまぶしい水着ショットがヤンジャンの巻頭グラビアばりに満載。
作画監督は『エヴァ』でおなじみ、あの摩砂雪さんなのでそのクオリティたるや!そう!問題ない。
ところで「あこがれの女子にサンオイル塗るグフフ」はこの世のすべての童貞の夢。
本作では水着サービスだけでなく、このオレンジならぬチェリーの夢も、 80年代アニメ最嬌のきまぐれマドンナ、我らが愛しのまどかさんが叶えてくださっている。
もしかすると…本作の中でここが一番モッコリ盛り上がるクライマックスなのかもしれない!
その先に訪れるストーリー上の真のクライマックスでは、ケンカ上等のスケ番として地元じゃ実は恐れられている まどかさんのあの格闘スキルが発動!
キレのいい打撃で悪党を叩きのめし、ジョン・ウー映画ばりに華麗に拳銃を抜き取り、突撃してくる暴走車にぶっ放す!
可憐かつ過激なその姿にあらためてハートを撃ち抜かれること間違いなしのカッコ良さ。
途中でプチ披露する英語も、バイオレンスとインテリジェンスを兼ね備えてる無敵ヒロインっぷりでSO COOL!
絶体絶命のピンチを、恭介が「禁断の超能力」でまあまあアッサリ切り抜けたりする展開や、高田明美さんのキャラクター設定からちょいちょい大胆にデフォルメタモルフォーゼするクセがすごい作画は、もしかするとちょっと好みが分かれるのかもしれない。
しかしこれはきっと「遊び心に 呪文ふりかけいてい 夢中にさせたい あなたの心を」というスタッフの皆さんのオレンジ色に燃える情熱にブーストがかかった結果にちがいない!
元となる原作エピソードに大胆に改変を加えた、この きまぐれオレンジ☆ハードボイルド・ミステリー・ロード。観たらきっと、忘れ得ぬ遠い日の『夏のミラージュ』のように、不思議と胸に焼きつくステキな作品になっております!
- オススメ度…60/100
- 無料動画の配信…Youtube
- 有料動画の配信…なし
- ソフトのレンタル…なし
- ソフトの販売…Blu-ray BOX、DVD BOXに収録あり!
※『きまぐれオレンジ☆ロード』のOVA一覧です(製作された順)↓