『ゲバゲバ笑タイム!』 伝説のバラエティー番組のアニメパートをOVA化!

■監督:木下蓮三
■1986年
■30分

 

1969年から1971年にかけて放送された、日本テレビのバラエティー番組『巨泉×前武ゲバゲバ90分!』。
その番組内のアイキャッチなどで流れるアニメに登場していた《ゲバゲバおじさん》というキャラクターを主役にしたOVA。
当時、このアニメパートを作っていた木下蓮三さんご自身が監督をなさった。

 

 

『巨泉×前武ゲバゲバ90分!』という番組は、若かりし頃の大橋巨泉さんの「新しいことをやったるで!ウッシッシ!」というエネルギーが巨大な泉のごとくあふれ出た、何やら物凄い、斬新でパワフルな伝説のバラエティー番組だったらしいのだが、世代的に私は見たことがない。
しかし、私と同じように、この番組を知らぬ方も、オープニングテーマは絶対に聞いたことがあるはずだ。

 

 

また、木下蓮三さんは、数年後に放送される、やはり日本テレビ制作の『カリキュラマシーン』でもアニメパートを担当なさったとのこと。
『ウゴウゴルーガ』もビックリのこのドラッギーな教育番組は、記憶の底にかすかに観ていた覚えがあり、中でも「♪ねじれて ねじれて きゃっきゅっきょっ…♪」という、頭がねじれそうな変テコな歌詞の唄は完全なオッサンになった今でもハッキリと耳に残っている。

 

ちょいと前にダウンタウンさんの番組で、松ちゃん浜ちゃんのお2人と、ゲスト出演なさっていた的場浩司さんがこの歌について触れ、口ずさみ、懐かしそうに盛り上がっておられ「うおお!あの歌のことじゃあ!」とビックリ!
やはり、あの頃のチビッ子は全員「きゃきゅきょの言い方」をこの教育番組でバッチリ教育されたに違いない。

 

このたび、その歌をニコ動で発見!久しぶりに観てみた。
普通、チビッ子の頃に衝撃を受けたモノというのは、思い出補正がされており、大人になって見るとそんなでもない…ということが多いと思うが、大人になって見るといっそうとんでもなかったです…
何で朝のチビッ子向け教育番組で真っ赤な下着姿のお姉さんが出てくるんだ!

 

 

そんな『カリキュラマシーン』はともかく、木下蓮三さんのアニメーションで、個人的にもっとも印象に残っているのは、原爆資料館の視聴コーナーのような一角で観た『ピカドン』という短編作品である。
晴れた夏の日。いつもの広島の朝が、人々の暮らしが、一瞬で地獄に変わったあの時を、丁寧な手造りのアニメーションと音楽で描いた7分弱。
セリフはないが、原爆ですべてを奪われた人々の悲しみ、叫びが聞こえてくるような力作だ。

 

 

このOVA『ゲバゲバ笑タイム』は、シリアスな『ピカドン』とはまた違い、ナンセンスギャグ作家としての木下蓮三さんの才能が数十秒単位で火を吹きまくる驚異的なショートコントのつるべ打ちである。
巨泉さんならずとも「ウッシッシ!」と笑顔になること間違いなし!

 

 

 

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