■監督:望月智充 中島哲也
■1985年(ビデオの発売は1989年)
■30分
80年代の毎週月曜日。
朝は《週刊少年ジャンプ》で、夜はテレビアニメで、日本中の全男子を1日に2度も甘酸っぺえ気持ちにさせてくれた『きまぐれオレンジ☆ロード』。
考えてみると《週刊少年ジャンプ》の発売日は毎週月曜日。
『きまぐれオレンジ☆ロード』はもちろん、『キャッツアイ』『北斗の拳』『銀牙 流れ星 銀』などなど…数々のジャンプアニメの放映日も月曜日が多かった。
時は米ソの冷戦下。
私は学校が核戦争と同じぐらい嫌だったので、月曜の朝はいつもウダウダ五度寝するほど気が重かった。
しかし「がんばって起きたら…《ジャンプ》が読める!そして学校がなんとか終わったら…夜はテレビで『北斗の拳』のアニメが観れる!」などと考え、なんとか自分を奮い立たせていた。
あの頃、たくさんのジャンプ作品たちが、沈む心を少しジャンプさせてくれていたような気がする!
そんな、何とか死なずに月曜を生き抜いたソルジャーたちへのご褒美の1つ『きまぐれオレンジ☆ロード』。
その初めてのアニメ化作品が、この『きまぐれオレンジ☆ロード 少年ジャンプ スペシャルアニメ』である。
そう!
本作は、あの毎週月曜のテレビアニメよりも前に作られたものなのである。
私はかすかに記憶があるのだが、黄金期の《週刊少年ジャンプ》が、ある時、日本全国をキャラバンのように渡り歩く大規模なファンイベントを行い、各会場の熱気うずまく様子が、毎週誌上でレポートされていた。
そのイベントで上映され、激アツ大評判だったスペシャルアニメがこの作品である。
優柔不断エスパーの恭介、お姉様ヒロインのまどか、とにかく明るいひかるの、おなじみ三角関係トリオは、このたびは真夏の沖縄へ。
ひかるにゾッコンお熱で恭介にジェラシーをメラメラ燃やす勇作と、ませガキいとこの一弥というフタコブつきではあるが、なんだかんだでみんなでリゾートを満喫。
しかし恭介とまどかは、ウキウキワクワクのミッドナイトダイビング中に遭難!
海底洞窟に2人きりで閉じ込められてしまう!
助けを呼ぶテレパシーも届かない。酸素も残り少ない。
絶体絶命の状況の中、やがて2人は…
原作は、ヒロインたちの可愛さとお色気サービスに尋常ならざるブーストがかかり始める6巻に収録されたエピソード。
真冬の雪山でロープウェイの中に閉じ込められる話だが、このアニメ版では真夏の沖縄に行先変更。
このホットなアレンジにより、まどかさんのまぶしすぎるビキニ姿が拝めるパラダイス仕様になっている。
また、長きに渡るオレンジロードの中でも屈指のドキドキ度を誇るあのシーン!
「勇作と一弥の策略により、シャワーをあびてマッパにタオル一枚のまどかさんにバッタリ!」は原作同様ドッキリ!
期待と不安が激しく交錯する100点満点のラブコメお色気サスペンスの果て、最終的に恭介と同じ童貞中坊の顔でポーッとまどかさんのバスタオル姿を見つめることになるだろう。
後に製作されるテレビアニメ版とは違い、恭介=水島裕さん、まどか=島津冴子さん、ひかる=小粥ようこさんという声優陣もレア。
風で帽子が未確認飛行物体UFOのように飛んでくる、誰もが新しいラブコメの始まりを確認した第一話のあのファーストシーンが挿入されるタイミングも絶妙。
さすが、数々のスタジオぴえろ作品はもちろん、後に問題傑作『きまぐれオレンジ☆ロード あの日にかえりたい』を手がけられた望月智充監督である。
そして何と言ってもこのビデオにはなんと!
『実写版きまぐれオレンジ☆ロード』が同時収録されているのである!
正確に言うと、原作者まつもと泉先生の作業風景と、描き上げられたマンガ、役者さんが演じる実写シーンの3つを織り交ぜて作られたイメージビデオ風の短編作品。
手がけたのは『下妻物語』や『告白』などの大ヒット映画でおなじみ、あの中島哲也監督である。
実写版まどかさんが、原作にも負けないぐらいめっちゃ可愛かったが、なんという方なのだろう?
そして、オシャレな姿で美しい原稿をサラサラと描いていく若かりし日のまつもと泉先生も、めっちゃ可愛いですゾ!
- オススメ度…70/100
- 無料動画の配信…Youtube(同時収録だった実写イメージビデオはなし) Youtube(実写イメージビデオ)
- 有料動画の配信…なし
- ソフトのレンタル…なし
- ソフトの販売…中古のVHS
※『きまぐれオレンジ☆ロード』のOVA一覧です(製作された順)↓








