「街角のメルヘン」 色あせぬ異色のボーイ・ミーツ・ガールOVA

■監督:西久保瑞穂
■1984年 ■54分

舞台は80年代の西新宿。
「街角のメルヘン」という絵本を作るのが夢の少年。
何者かに追われる、ファムファタル感あふれるミステリアスな少女。
2人の出会いと夢のような日々を、メルヘンチックな描写を交えつつ、四季を通して描いた異色ボーイ・ミーツ・ガールOVA。

当時のアニメ誌に載っていた記事で、独特のフラットな絵柄が強烈な印象として残っていた。(ちょっと林静一さんっぽい感じ?)

勉強不足で、作品自体は未見だと思っていたのだが、今回鑑賞していくつかのシーンに記憶あり!しかしいつどこで見たのか全然記憶なし!…という個人的にも夢のような不思議な作品だ。

随所に挿入される二人が夢見るメルヘンシーンは、昔のディズニー映画「ダンボ」などのラリパッパ描写や、湯浅さんのアニメ作品にも引けを取らないなかなかのトビっぷり。
特に物語の終盤、街に春が訪れ、少女が蝶の羽根を広げ、無数の花びらが舞う中を飛んでいくシーンはとても美しく感動的だ。ここで流れるヴァージンVSの「サントワマミイ」がまたいい。

ヴァージンVSといえば、曲が時々挿入される…のではなく、本当に全編にわたってこのバンドの曲が絶え間なくずっと流れてるのが何かものすごい。OVAにしてMV(ミュージックビデオ)でもあると言っても過言ではないほどアグレッシブなかけ方だ。OVAMVだ。
ちなみにヴァージンVSとは、若い方にもわかりやすく説明すると「うる星やつら」の名エンディング「星空サイクリング」を歌っていた、あがた森魚さん率いるあのバンドである。

80年代OVAを見ると、エンドクレジットに大物や意外な人が並んでおり驚くことがある。
この作品も、音楽のヴァージンVSはもちろん、脚本は首藤剛志さん(戦国魔神ゴーショーグンなど。故人)、美術は小林七郎さん(天使のたまご)、キャラデザインは天野喜孝さんなどなど…非常に豪華なスタッフだ。そして主役の少年の声を演じたのは、なんと若き日の永瀬正敏さんなのである。

このように見どころの多い作品だが、当時としても異色作であり、売り上げはふるわなかったらしい。しかしその異色さは今なお色あせることなく、不思議な魅力をフンワリとかもし出している。
ツイッターを相互フォローしてくださっている方が「当時のOVAの中では実に控え目で、しかし泣けるお話なので、大好きなのです。」と言っておられたので観たのだが、本当だった。

脚本の首藤剛志さんが「WEBアニメスタイル」に連載なさっていたコラムによると、DVD化の話がきたらしいのだが流れてしまったようだ。中古のビデオも見当たらない。
しかし!大きな声では言えないがFC2動画、ニコニコ動画などでナイショで観ることができる。著作ナンチャラ的にはよくないとは思うがよかった…

  • オススメ度…75/100
  • 無料動画の配信…ニコニコ動画
  • 有料動画の配信…なし
  • ソフトのレンタル…なし
  • ソフトの販売…中古のVHS、LDも見当たりません…

Javawaky様、作品情報の提供ありがとうございました。

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