「New Story of Aura Battler Dunbine」 聖戦士ダンバインの後日譚 バイストン・ウェルまたのぞけます

■監督:滝沢敏文
■1988年
第一話 復活(27分)
第二話 七百年の野望(27分)
第三話 地上に近き者(27分)

バイストン・ウェルの物語を覚えている者は幸せである。心、豊かであろうから。

私は少年時代にリアルタイムで「聖戦士ダンバイン」を観ていた。
けれど、何せもう30年以上前…富野由悠季さんにまだ髪の毛があったぐらいはるか昔のこと…
ゆえに思い出せない…そんなことない!
オーラの力忘れてか。

忘れるわけがない。
「聖戦士ダンバイン」の登場は衝撃だった。
何が衝撃だったって、宮武一貴さんがデザインした主役ロボット・ダンバインのあのデザインである!
それまでのアニメのメカメカしいロボットたちとはまったく違う、ツノや爪がついた、昆虫を想起させる有機的…いや怪物的と言ってもいい斬新なデザイン。
原作版デビルマンのデザインを初めて見た時にも似た衝撃を受けた。
「スエちゃん…今度始まるバンダインって何か変…虫みたい…」
とションボリつぶやいたアニメ友だちに対し「何を言いよんね!それがええんじゃない!それにダンバイン!」と激しく突っ込んだのを今でも覚えている。

ワクワクしながら放映開始とプラモの発売を待った。
やはり私と同じくダンバインのあのデザインにしびれた人が多かったのだろう。発売されたプラモはいつもどこも売り切れだった。
行きつけのオモチャ屋に学校より多く通い「ダンバインありますかっ?」とお店の方に聞いてはションボリ帰る日々が続いた。
そしてある日、私の問いかけに対し店主様がニッコリとうなずき、開田裕治さんのあの美しいイラストが描かれた「ダンバイン 1/72」のプラモを、宝石箱のように差し出してくださったのだった。

「ついに…あのダンバインがワシの手の中に…!」
そしてそのダンバインのプラモの完成品はこのようなものであった。

ズコー!
太いっ!なんか太いっ!ダンバイ~ン!バイ~ン!

やはりあの生き物っぽいデザインをプラモにするのは、さすがのバンダイさんも当時は難しかったもよう。
まあまあ不評…というより、あまりのあんまりさに逆に大評判!このオーラの力たくわえすぎてパンパンに太ってしまったようなダンバイ~ンを、本来のデザイン通りシャープにカッチョよく改造する記事が色んな模型雑誌に載った。
たしかチビッ子たちの月に一度のお楽しみ雑誌「コミックボンボン」には「ボディーのパーツをノコギリで真っ二つに切り、均等にけずり、ふたたびくっつけて細くする」というチビッ子たちが泣きたくなるような難易度の高い改造方法が載っており、「恐れはしない!飛び込めばいい!」と勇気をふるって実践、見事に失敗、肉を切らせてトドメをさされたような、もうどうしようもないバラバラダンバインを前にホントに泣いてる子もいた。私である。

プラモの思い出はともかく、本編も最高に好きで、毎週夢中で観ていた。
私にとってのアニソンの女王・MIOさんの歌うオープニング、地上界一かっちょいい歌「ダンバインとぶ」に燃え、エンディング「みえるだろうバイストン・ウェル」にジーンと感動。
ちなみに作詞の井萩麟さんとは富野監督ご自身の別名。天才の詩だ。
特にオープニング、2番、3番のかっちょよさ、エンディングの美しさ切なさときたら!なぜこんな詩が書けるのだろう!私にもバイストン・ウェルが見えた。
(富野さんの詩ではないが、確か数回しか流れなかった挿入歌「青のスピーチ・バルーン」「水色の輝き」もゴリゴリのアイドルソング感が強烈で良かった)

内容も凄かった。
いわゆる「普通の私が異世界で勇者になっちゃいました」モノだが、話の途中で舞台がまさかの…
予告で「聖戦士ダンバイン、次回、東京上空」と流れた時の衝撃たるや!一緒に観てた兄と二人で「ええ~っ!?」とユニゾンで絶叫。
翌週月曜、学校で「今度のダンバイン《東京上空》よ!舞台が地上界に移るんよ!ばりビックリよ!」とみんなビックリ!ワシ界隈ではその話で持ち切り!あの展開はホント、ビックリしたナ!

他にも「ハイパー・ジェリル」のハイパー神回っぷり、「皆殺しの富野」の名に恥じぬ、終盤のキャラクターたちの皆殺しっぷりたるやもう…何せチビッ子たちの天国の時、土曜の夕方5時半に、ヒロインのお姫様が実の母親に拳銃で眉間をブチ抜かれたりする地獄を見せたのだ。

そしてラスト。
毎回冒頭に流れていたナレーション「それゆえにミ・フェラリオの伝えるバイストンウェルの物語を伝えよう…」の意味をあらためてしんみり噛み締めることになるあの幕切れ…
確か当時、某アニメ誌に「壮大な失敗作」という風に書かれていたが、私は夢中で観たし、面白かったし、大好きな作品だ。

このOVA「New Story of Aura Battler Dunbine」は、本編の700年後という後日極まりない後日譚。
本編で富野監督に皆殺されたキャラクターたちがバイストン・ウェルで転生。再び、戦いの渦に巻き込まれる。


当時、3巻に分けてリリースされた本編のビデオの巻末に、一話づつ収録されていた。今はDVDの最終巻に3話まとめて収録されている。

オーラバトラーは基本的に止め絵で表現。この絵自体はとても美しい。

しかしセル動画によるダイナミックな戦いがほとんどないのはちょっと残念かも。
今やオモチャも発売され、ゲームにも登場する人気者となったオーラバトラー・サーバインが派手に動きまくってアタック アタック アタックするとこは、やっぱりちょっと観てみたかった。

テレビ版「ダンバイン」を観てなくても話は分かる。
しかし「ああ、この人はあの人の生まれ変わりなのか~」というのもお楽しみ要素の一つ。
なので、毎日ちょっとづつでもいいから、まず「聖戦士ダンバイン」全49話を観てみるといいかもしれない!
ダンバインチャンネル…もといバンダイチャンネル、Amazonビデオ(プライム会員は無料!)などでバイストン・ウェルのぞけます。

  • オススメ度…50/100
  • 無料動画の配信…Youtube(3話ともあり)
  • 有料動画の配信…なし
  • ソフトのレンタル…TSUTAYA、DMM.com、ぽすれん、ゲオ(DVDの最終巻に3話とも収録)
  • ソフトの販売…中古のVHS、DVD、Blu-ray など多数のバージョンあり
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