■監督:北爪宏幸
■1987年 50分
おじいちゃんがコツコツ整備した秘密ロボに、愛する孫が乗り込んでマジンゴー!いばりんぼ支配階級の奴らとバトルしつつ世界の謎に近づいていく!
ただし孫はまだ小さなカワイイ女の子。ロボもマジンガーZサイズじゃなくて着ぐるみXLサイズぐらい!…というSFロボット美少女アクション。
監督は北爪宏幸さん。
「重戦機エルガイム」や「機動戦士ℤガンダム」「逆襲のシャア」など、富野ワールドの作画監督やキャラデザインでおなじみ。80年代アニメファンにとっては特に尋常じゃなくおなじみ。いや、おなじみというより憧れ。今なお眩しいスターアニメーターのお一人だ。
この「レガシアム」が北爪さんの初監督作。全編見事にまったく乱れないハイクオリティな作画からも、その気合が伝わってくる。
登場人物のキャラ立ちも完璧。
特に可憐がパワードスーツ着て歩いてるようなヒロイン・アルシアちゃんサイドのキャラたちはみんな性格すこぶる良し。なんて気持ちのいい連中だろう。ウジウジ君がいない。富野ワールドとえらい違い。
ストーリーもワクワク。世界の彼方にある「塔」とは?そこから聞こえる「音」とは?そしてレリック(遺物)アーマー・レガシアムに隠された秘密とは…?
謎要素で興味津々。グイグイ引っ張られて観てると「あれ…?これ50分でホントに終わるのかな…?」と疑問が頭をもたげ始める。そしてアルシアたちが、入る前にセーブが必要な感じの「塔」にいよいよ突入しようとしたところでエンドロールに突入!全然終わりませんでした。
そして最後に ↓
See you again(またね)と出るも、作品のリリースは終わり。前後編になる予定だったらしいのですが、事情で後編は作られなかったとのこと。
エンディングを歌うのは、機動戦士ZZガンダムの主題歌「サイレント・ボイス」でおなじみの全然サイレントじゃないパワフル極まりない歌声の持ち主、ひろえ純さん。
「NO~NO~NO~」というサビのカッチョいいロックな歌なのですが、観終わった後「これで終わりなんて…NO~NO~NO~…」とションボリ口ずさむこと間違いなし。あまりにも残念だ。続きが観たかった。
北爪宏幸さんは刻を越えて強く残り続ける爪痕をOVA史に遺された。この素晴らしいレガシーをどなたか受け継いで完結編を作ってくれないものだろうか?今となってはもうほぼ不可能なのはわかっているが…でも、いつか、できればSee you again!それまでは心の中で続きを妄想し続けよう!
未完だけれどクオリティの高い良作です!
- オススメ度…70/100
- 無料動画の配信…Youtube
- 有料動画の配信…なし
- ソフトのレンタル…なし
- ソフトの販売…中古のVHSのみ