「アーバンスクエア 琥珀の追撃」 80年代OVAでは珍しいハードボイルド・アクション

■監督:西森明良
■1986年
■56分

売れない物書きの青年が、ある夜、殺人を目撃。
日本の神戸なのにマシンガンを景気よくブッ放す、デンジャラス極まりないアメリカンな殺し屋に追われてしまう。
何とか逃げのび、イカす美女とも知り合い、まんまとデート。
しかし…その時、彼が持っていた原稿の中に、彼女が助手をしている大学教授あての手紙がなぜか紛れ込んでいた。
いつの間に?なぜ?誰が書いた手紙なのか?そしてその内容とは…?
ドス黒い陰謀に図らずも近づいてしまった2人の身に恐るべき追撃の手がせまる!

謎の事件…美女…殺し屋…銃…夜の港…
そして全編に流れるムーディーなソウルミュージック…
日本の80年代OVAでは珍しい、レイモンド・チャンドラーやロス・マクドナルドの世界のようなシブい本格ハードボイルド……かと思って観てると〈空手拳五郎〉というニセ・ケンシロウみたいな拳法使いが「ほあたぁ!」と襲いかかってきたり、主人公がそれに鍋とか傘で応戦したり、足元に銃を乱射されてギャグ漫画みたいにその場でピョンピョン飛び跳ねたり、オチャラケ描写も随所に乱れ撃ち!
また、先述のアメリカンな殺し屋はもちろん、刑事たちも、何度も言いますが日本の神戸なのに《ヒート》のロサンゼルスぐらい、ごっつい銃を普通に撃ちまくり!
………。
どういう気持ちで、どのぐらいのリアリティラインで観ればいいのか?もしかするとちょっととまどってしまうかもしれない!

しかし作画はさすがの本橋秀之さん。高田明美さんがデザインした魅力的なキャラクターたちが、全編美しくアクション!
景気のいいドンパチはもちろん、ステゴロ勝負、カーチェイス、ヘリのへりに決死でしがみついての空中追跡サーカスなどなど、ハリウッド映画のようなサービスシーンのつるべ撃ち!
最後の一撃をキメるのが「あの人」というのも粋でニヤリ!

ちなみにハードボイルド映画の定番、観てて一番ひゃっほうアガるのは、なんといっても「殴り込み前の武装シーン」である。
本作にも、ラストバトル前、修羅場をくぐり抜けてきたベテラン刑事が黙々と拳銃に弾丸を込め、照準をチェックし、ホルスターに収め、夜の港で待ち受ける敵たちを粉砕すべく完全武装していくのを、シブい音楽に合わせ、美しい作画で描いたシーンがある。
「おお!ちゃんとハードボイルドのカッチョ良さのツボを押さえてくれてるなあ!」と思った…のですが、武装完了した刑事が心配そうに見つめるヒロインをふりかえって二カッと笑いかけた瞬間、なんか背中にしょった銃が予想外にビックリするぐらい巨大だったので、図らずも笑いがちょっとだけ暴発してしまったのは絶対にナイショにしておこう!

  • オススメ度…55/100
  • 無料動画の配信…Youtube
  • 有料動画の配信…なし
  • ソフトのレンタル…なし
  • ソフトの販売…中古のVHS
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