■監督:大上浩明
■1987年~1989年
■各話30分
第1話 魔龍戦記
第2話 魔龍變生
第3話 魔龍神伝
青龍!朱雀!白虎!玄武!
メガテンでもおなじみの四聖獣をその身に宿す者たち。
その中の一人、青龍を宿すビジュアル系悪モノ・美鬼(みき)は、古来より闇の力「鬼道」を使い、政を影で操ってきた日本の裏番のような一族の末裔であった。
失われてしまった強大な力を取り戻すべく、美鬼は朱雀を宿す美少女・詩穂と交わり、禁断の秘術を行おうとしていた…
白虎を宿すマッチョ陶芸家・恭一(きょういち)!
玄武を宿すバトル老僧・玄道(げんどう)!
2人は果たして可憐な乙女、詩穂を救えるか…?
格闘アクション!
エロ!
スプラッター!
そしてもちろん、わたなべぢゅんいちモンスター!
…と、80年代OVAの四聖獣的要素をキッチリと宿した伝奇バイオレンス。
キャラクターデザインも担当された恩田尚之さんの作画がすばらしい。
リアルに描かれた80年代の新宿でサービスたっぷりに酔拳まで披露する玄道と、気は優しくて力持ちの主人公・恭一の師弟コンビのキレの良い格闘アクションが随所に炸裂!
神OVA『妖獣都市』の川尻善昭監督が、本作を観て『魔界都市 新宿』の作画監督を依頼した…というエピソードも納得の迫力だ。
また、恩田さんは触手姦アニメのそそり立つ金字塔『うろつき童子』にも参加されていた偉大なるお方。
本作にも「うろつき童子っぺえ~!」という作画や、ヌチョヌチョエロ感がちょいちょいうろつく。
しかし18禁ではないので、あくまでそこんトコはチョイ出し、寸止め。
そして常時性欲モンモンモンスターだった当時、『うろつき童子』や『妖獣都市』ばりのハードなエロシーンのぶっかけ百連発を勝手に期待しまくって観た私は、正直なところそれがちょっと不満であった。
しかし、これは逆に言えば作品が観る人を選ばない広い大衆性を獲得しているということに他ならない。
なのでジブリぐらい安心して家族で一緒に観……るのはやっぱちょっとやめたほうがいいかもしれない! ↓
ちなみに敵の美鬼は名前の通り鬼のように悪いけれど大変美しい。
3巻ではBL感マンマンのキスシーンもネットリ披露。腐女子の方も楽しめるんじゃなかろうか。
BLと言えば、そっち方面の作品をたくさん描いておられる高群保先生によるコミカライズもあり。
主人公・恭一と、親友であり志穂の兄・浩との、男2人の友情、愛、憎悪が悲しい戦いを引き起こすというOVAでは描かれなかった繊細かつバイオレンスな展開があり、読み応えあり。
途中で終わってしまっているので、できれば続きが読みたいものだ。
他にも終盤に明らかになる、頼れる元気なおじいちゃんの玄道が実は…という驚愕の真相や、『機動戦士ガンダム』や『デビルマン』にも匹敵するショッキングな「主人公キャラの腕チョンパ」もあり。
また、ネタバレになってしまうので詳述は避けるが、激しい戦いの果てに訪れるあのラストは…あのラストは…なんかもうどう思えばいいんだか!複雑な顔になること間違いなし!(私は好き!)
各話たった30分弱で、話の展開もスピーディー。なかなか楽しく、あっという間に観れると思う。
完全に続きものなので、3話まとめてぜひ!
■本文中でも触れさせて頂いたコミカライズ作品です↓