■監督:河森正治
■1987年
■30分
マクロの空をつらぬいて日本アニメ史上に永遠にそびえたつ金字塔。
昭和セルアニメの一つの頂点。
『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』。
以前、別のブログ記事でも書かせて頂いたが、劇場公開時、この作品のエンディングは、リン・ミンメイが歌う『天使の絵の具』に合わせて、真っ黒な画面にスタッフロールが流れるだけであった。
現在、市販されているソフトなどには、歌と共にミンメイの美しいライブ映像が収録されている。
それは、このOVAの冒頭部分を使ったものなのだ。
そして、その効果は抜群!
この打ち上げシーンの追加で、ただでさえカタルシス満点だった作品に、さらに多幸感がプラス!よりデカルチャーな完全版にトランスフォームしている。
「おぼえていますか?」と聞かれずとも絶対忘れるワケないわが青春の『愛・おぼえていますか』はともかく、このOVA『超時空要塞マクロス Flash Back2012』である。
本作には明確なストーリーはない。
戦うことしか知らぬ巨人族もマクロスピードでキュン死させる宇宙一のスーパーアイドル、リン・ミンメイの大ヒットキラーチューンが『愛・おぼ』やテレビ版の名シーン、美樹本晴彦さんのイラスト、そして新作カットに合わせ、次々流れるというミュージックビデオである。
セットリストは次の通り。
- 天使の絵の具(part1)
- SUNSET BEACH
- 0-G LOVE
- 小白竜(シャオパイロン)
- シルバームーン レッドムーン
- 愛は流れる part2
- シンデレラ
- 愛・おぼえていますか
- 天使の絵の具(part2)
- ランナー(デュエットバージョン)
既存の映像や美樹本さんのイラストには、実写との合成や工夫を凝らした編集が加えられている。
個人的には特に、伝説のテレビ版 第27話のクライマックス・ナンバー『愛は流れる』のマーチバージョンに注目。
テレビ版本編や『愛・おぼ』の映像にモノクロの戦争記録フィルムが合成されているのが、歌詞のイメージにもピッタリで、グッとくるものがあった。
そして、何と言っても新作カット!
先述した、終戦打ち上げノリノリコンサートだけではない。
美空ひばり級の風格を漂わせる大御所歌手となったミンメイが、本編でも語られる「歌手を夢見て家を飛び出した若かりし日のこと」を懐かしく思い出したり、マクロスの後継機「メガロード」が人類の新たなるフロンティア目指して宇宙に旅立つシーンなどが、お目めが落ちそうなほどキラキラ美しい作画で描かれている。
ちなみに「メガロード」艦長は早瀬未沙!
旅の守りの要、戦闘機隊長は一条輝である!
特にもう、この輝の、ロイ・フォッカーが乗り移ったような頼もしさ、凛々しさ、雄々しさ、カッチョ良さときたら!
「軍用機を勝手に使ってアイドルを星空デートに連れ出してたようなあのお兄ちゃんがまあ、立派にたくましくなって…」とホレボレ。
そして、誰もいないさびれたコンサート会場で一人、昔を懐かしむミンメイの前に、まるで「あの時」のように輝が…そして未沙が現れ…のシーンは、初代マクロス・リアルタイム体験組はもう!想い出が色々いっぱいフラッシュバックして絶対号泣必至!
時空を超えたラブソングに何度でも酔おう!
- オススメ度…90/100(初代マクロスのリアルタイム世代のファンなら)
- 無料動画の配信…Youtube
- 有料動画の配信…なし
- ソフトのレンタル…なし
- ソフトの販売…DVDあり!
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