■監督:長谷川康雄
■1989年
■45分
『ガルフォース』『バブルガムクライシス』そして『アイドル雀士スーチーパイ』!
80年代から長きにわたり、主に戦う美少女モノでアニメ&マンガファンをメロメロにノックアウトし続けてきた我らがソノケンこと園田健一さんが原作。
シカゴの何でも運び屋ビーン・バンデットの大活躍を描いたバイオレンスアクション。
開幕早々わずか数十秒で脳みそとオッパイが景気よく飛び出す展開に頭のおかしな私は大興奮!「これはたぶん傑作だ!」とうれしい予感にワクワク!そしてそれは大当たり!
わずか45分の中に「これでもか!」と言わんばかりに美女、暴力、車、銃をギッシリ装填。
作られた年代など忘れてしまうアンチエイジングな美しい作画で描かれた凄まじい見せ場が、リロード不要のマシンガンのごとく絶え間なく連射されまくる傑作になっている。
特に、「車」と「銃」の描写は、原作及びそれをソースとした『ガンスミスキャッツ』同様、数多い80年代アニメ作品の中でも頭ひとつ抜けた、ちょっと尋常じゃないステキなマニアックさ。
私のように車といえば「かうんたっく!スーパーカー消しゴムの!」銃といえば「ワルサーP38!ルパンの!」ぐらいしかどうしても思い浮かばない方でも、そのピュアな偏執狂的こだわりに心撃ち抜かれるはず。
原作者・園田健一さんの「好き♡」がここまで隅々にまでうまく反映したのはご自身が、キャラクターデザイン、絵コンテ、監修と、幅広くガッツリと手がけられた結果だろう。
愛車をバカにされたビーンが見せる、武装ギャングたちすら凍りつかせる驚きの報復方法、カーキチハリウッド映画『激突!』や『フレンチコネクション』ともデッドヒート可能な、マシンクラッシュ超ましましの狂気の連続耐久街道チェイスに酔おう!
ここぞというところでかかる音楽も、愛車でドライブ中にご機嫌なナンバーがカーラジオから流れてきた時ぐらいハートもアクセル全開!アガること間違いなし!私の愛車は原チャリだが!
ガンアクションもマイケル・マンの映画ばりに満足。
小さな弾丸で人体を粉砕してしまえる「銃」という凶器の恐るべき破壊力と、それに慣れたプロのカッコ良さが見事に描かれている。
特にこのジャンルの定番「人質の頭に銃を突きつけられて、ホールドアップを命じられて、さあどうするサスペンス」の、本作の切り抜け方は必見!きっとジョン・ウーもマネしたくなるに違いない!
そして、ありとあらゆるものを派手に破壊しまくるその銃さえ、チビッ子の銀玉でっぽうに見えてくるような、終盤のブチ切れたビーンの大暴れに、敵の女ボス同様きっと唖然とするだろう。
ソノケンさんの「ビーンはルパン三世と、ランボーと、ターミネーターを足して3で割った感じ」というお言葉にいつわりなしの、ほとんど人外な胸のすくよな無双っぷり。
もちろんソノケン作品、大人の女性からロリータまで美女も揃い踏み。
童貞中2ばりに凝視必至の異様な気合作画の色っぽい着替えシーンを魅せてくれるビーンの相棒、ガンマスター美女のラリーはもちろん、ドライブスルーで注文を取りに来るローラースケートウェイトレスなどのチョイ役まで、ハンバーガー山盛り注文したくなるぐらい可愛い。
…と、このように、つまりこの作品…いいトコロしかないと思います!あとはもう好みの問題!
海外でも大人気でソフト化されまくったのも納得のこの頼もしすぎる運び屋に安心して乗ろう!
※最終巻の巻末に特別収録(連載誌の休刊により途中までですが)↓