『ザ・ボーグマン ラストバトル』OVAで待望のボーグ・ゲットオン⁉︎

■監督:根岸弘
■1989年
■60分

 

朝、制服を着る時!
昼、体操服を着る時!
夜、寝巻を着る時!
とにかく何か服を着る時、80年代のアニメファンが男女問わず一人残らずみんな高らかにシャウトしていた「ある言葉」がある。
そう!
「ボーグ・ゲットオン!」
この魅惑の「マネして言いたいキメ台詞」が毎回披露されていたのは、1986年のテレビアニメ『超音戦士ボーグマン』。
3人のサイボーグ戦士《ボーグマン》が恐るべき侵略者《妖魔》に立ち向かうSFバトルアクションである。

 

 

ボーグマンたち3人はヒーローの鋼鉄の掟どおり正体を隠し、ふだんは小学校教師として勤務。
そして妖魔たちとバトる時は、電送されてくるカッチョよい鎧《バルテクター》を全身にまとう。
その時の変身のかけ声が「ボーグ・ゲットオン!」というわけである。

 

 

菊池通隆さん(つまり漫画家の麻宮騎亜先生)が生み出したキャラクターたちが、ちびっ子から悪役までみんなチャーミングで麗しいこの作品。
その中でも日本中の全男子が悶絶したのはやはりこの方。
各アニメ誌が競って表紙に起用し、本物の美少女アイドルばりに水着グラビアを載せ、ポスターを付けまくったこの方。
そう!
ボーグマン・トリオの紅一点!
アニス・ファームたんである!

 

 

彼女が「ボーグ・ゲットオン!」するその時、事件は起きた。
電送されてきた硬そうな胸部パーツで、柔らかそうなオッパイが「ムギュッ!」とおさえつけられる乳魂の神作画な1カットが、まばたき厳禁の早さで一瞬挿乳されたのである!ガビーン!

 

 

当時、この「ムギュッ!」とおさえつけられるアニスのオッパイを見て、おさえつけられぬ何かしらをガビーン!と感じなかった男子は地球上に存在しない。
あの頃みんな、アニスの「ボーグ!ゲットオン!」のこの瞬間をゲットすべく、テレビの前で目を大皿のごとく見開いて待ち、がんばったおかげで鍛え抜かれた彼らの動体視力は『がんばれ元気』超えだったという!

 

前置きがアニスのオッパイでいっぱいになってしまったが、それはさておき、この『超音戦士ボーグマン』が持つ本来の魅力には次のようなものが挙げられるだろう。
ひみつギミック満載な《バルテクター》や、山寺宏一さんの声でしゃべる頼もしいバイク《ロードサンダー》などなどのおもしろメカたち!

 

 

イケメンライバルかつ実は中身は味方の身内、ダスト・ジードとの確執と息を呑む死闘!

 

 

誰も知らない知られちゃいけないボーグマンは誰なのかサスペンス!

 

 

ハードロックの激しい新風で昭和アニソン界をゆるがしたEARTHSHAKERによるアガるオープニング『DON’T LOOK BACK』!

 

 

そしてアニスのオッパイ!

 

 

とにかく見どころいっぱいで、多くのアニメファンをテレビに吸いつかせることになったのであった。

 

 

OVA『ザ・ボーグマン ラストバトル』は、そんなテレビシリーズの数年後のお話。
人類の存亡を賭けた妖魔との戦いが終わり、ボーグマンたちは平穏な暮らしに戻ったはずであった。
しかし大事件発生!
今度はリョウとアニスのカップルの間に、倦怠期から来る痴話喧嘩が始まってしまったのだ!

 

 

そんな時、アニスの元へスカウトの知らせが来る。
差出人は、世界復興の象徴となるエネルギー政策《ヘブンズゲート計画》
のイケメン責任者、火鷹という男であった。
スカウトを受け、リョウの部屋を出ていくアニス。

 

 

しかし、向かった先の東京では謎の怪力サイボーグの出現と人々の失踪事件が多発しており、その中心には《ヘブンズゲート》の存在があった。

 

 

潜入捜査を開始したアニスだったが、怪力サイボーグたちに捕まってしまう。
監禁された彼女の目の前に現れたのは?
《ヘブンズゲート計画》の責任者、火鷹の正体と真の目的とは?
今…
音も立てずヤツの罠が近づく!
恐るべき陰謀を打ち砕くため、アニスを救うため、リョウとチャックは再びバルテクターを身にまとう。
かくして凄まじいラストバトルの火蓋が切られたのであった。

 

 

諸般の事情により、テレビシリーズに代わりキャラクターデザインと作画監督を担当なさったのは、あの本橋秀之さん。
『六神合体ゴッドマーズ』でマーズ&マーグのスーパーイケメンブラザーズを生み、アニメ界に女性ファンを激増させたゴッドである。
なので本作もキャラクターの麗しさ、絵の美しさは言わずもがな!

 

 

真っ赤なケーブルをむき出しの筋組織のごとくうごめかせつつ、口から怪音波を発射しまくる姿が禍々しい巨大ラスボスロボ《オメガ》とリョウのタイマン勝負は迫力満点。

 

 

たちこめる無理ゲームードを変えるため、緊縛されズタズタになった手首の傷をものともせず《オメガ》の動きを停めようとする必死のアニスが痛ましくも美しい。
制御盤に激しく飛び散る血が愛する男への熱い想いを伝える刹那の1カットなど、ディテールにも神が宿る。

 

 

手がかりをたどり、知力、体力、ボーグマン力を駆使して事件の解決に挑む、なにげに本格ハードボイルドなストーリーも熱い!
ここぞで流れる出演声優陣ソングスも、歌ってる皆様の笑顔が見えるような祝祭感がありアガる!

 

…と、このように、あの頃テレビシリーズを毎週観てたファンにとって、青春のモニュメントのように大切で楽しいOVA!
あの『バオー来訪者』と同時上映で劇場公開されたのも納得の力作ッ!

 

ところで、実はこのたびアニスはボーグ・ゲットオンせず生身のまま、恋に職務に奮闘する。
みんな期待で胸いっぱいにしてた「OVAクオリティなアニスのボーグ・ゲットオン」は、次作『超音戦士ボーグマン LOVERS RAIN』で!

 

 

  • オススメ度…68/100
  • 無料動画の配信…?
  • 有料動画の配信…DMM.TV  dアニメストア U-NEXT
  • ソフトのレンタル…なし?
  • ソフトの販売…Blu-rayボックスに収録あり!

 

DMM.TVについて

美少女アニメの始祖の果実『くりいむレモン』シリーズ全話!
一時、DVDが5万円オーバーぐらいに高騰しまくってた幻の名作ロボ・ファンタジー『ドラゴンズ ヘブン』!
などなど、なぜか80年代OVAのラインナップが充実しまくっているDMM.TVさん。きっとスタッフの方々の中に「わかってる好き者」がおられるに違いない!
もちろん『ボーグマン』のOVAも配信中!↓