『トウキョウ・バイス』 妖刀伝のスタッフがおくる安心のサスペンス・アクション!

■監督:山崎理
■1988年
■56分

 

何者かに追われ、ライブハウスに逃げ込んだ男が死んだ。体に複数の銃弾を受けていた。
偶然その場に居合わせた大学生探偵の順平は、死ぬ間際、男から謎のフロッピーディスクを託される。
義理堅い熱血漢の彼は、男の死の真相を探ろうとする。しかしそれは想像をはるかに超えた国家レベルの陰謀に踏み込んでしまうことだった。
命を狙われ、最愛の妹を拉致された順平は、探偵社の仲間たちと共に強大なトウキョウ・バイス(東京の悪徳)に立ち向かう!

 

 

全編神作画で描かれた麗しい忍びの者たちが躍動するアクションで、魔王信長の刺客たちとアニメファンのハートを射止めまくった『戦国奇譚 妖刀伝』。
NINJA好きの外人さんたちも熱狂させ、海外でもソフトが発売されたこの美しいOVAを製作した80年代アニメ界の作画見廻り役・南町奉行所が放った二の矢!
さすがのハイクオリティな、間違いのない安心のサスペンスアクション!
きっと多くの方の胸に刺さるはず!

 

大貫健一さんデザインのキャラクターたちが、日常の仕草から激しいアクションまでブレずに美しい。
特にワルモノたちにさらわれてしまう順平の妹・久美子ちゃんの可愛さは、ロリコンの方はキュン死必至なので注意が必要なレベル。

 

 

キャラクターだけでなく、チラッと映るパソコンの画面、カチカチと動くバイクのクラッチ操作、透過光でキラキラ光る涙などなど…ディテールへのこだわりも凄い。
舞台となる湘南や東京の風景もリアルで美しい。

 

 

大学生なのに探偵業を営んでいる上、なぜかSWATばりの戦闘スキルまで持っており、警察そっちのけで銃弾飛び交う闇深き事件の真相にグングン踏み込んでいき、ヘリの襲撃まで受けたりする主人公たちに「すげえ大学生だな…」と思ってたら、なんと最後はロボットまで登場!

 

 

80年代メガヒットムービー『ロボコップ』に登場した転んだら起きれないオチャメで残虐な2足歩行ロボ《ED-209》をちょっと思わせるようなフォルムで、『天空の城ラピュタ』のロボット兵ばりの切れ味のビームを照射しまくる恐るべき超兵器《童留3号》と大学生の激しいバトルが展開する!た…たくましすぎる!

 

 

激しい戦いの果てのエンディングをさわやかに締めくくる歌は、「組紐屋の竜」の役で大ブレイクした俳優の京本政樹さんである。さすが女性ファン悶絶間違いなしの必殺の歌声だ。

 

…と、このように非常に見応えのあるOVAだが、個人的には『妖刀伝』と同じく「安心のハイクオリティでうまくまとまっているが病的に突出したところがない優等生的な作品」とも、大変失礼ながらちょっと感じた。いや!これは自分がいつも不安で病気だからそう感じるのかもしれない!
私の感想はともかくぜひ!
声優さんたちも超豪華ですゾ!

 

 

  • オススメ度…74/100
  • 無料動画の配信…Youtube
  • 有料動画の配信…なし
  • ソフトのレンタル…なし
  • ソフトの販売…中古のVHS