『新くりいむレモン PART3 魔人形』怖ろしくも抗いがたい魔性のくりいむレモン！

■監督：みばしあやこ
■1987年
■25分

うるさ型のインテリアニメファンですらムッツリ黙らせた無敵の美少女アニメ『くりいむレモン』！

今夜はそっと「くりいむレモン」について書かせて頂こう。「くりいむレモン」… 「くりいむ」と「レモン」… この二つの単語を天才的なひらめきでチョイス＆ドッキング… そして発生した独……

全部で16本もの作品や数々のスピンオフをドパドパ出しまくって終了するも「次はどうした!?」のやっぱうるさかった声に応え、すぐに仕切り直して再スタート！おニューな作品を再びドパドパと出しまくることになった。
それが『新くりいむレモン』シリーズ。全部で9発。
3発目がこの『魔人形』である。（madol=マ・ドールと読むもよう！）

高校生のヒロムは、冬の街角に一日中立ち続けている不思議な美少女に気づく。
独りぼっちで、凍えそうで、はかなげな彼女に自分のマフラーを巻いてやり、優しい言葉をかけて立ち去るヒロム。

しかし帰宅すると、血相を変え、ただならぬ様子で部屋に飛び込んできた姉にこう問い詰められる。
「あなた…サエキショウコと何を話していたの!?」

あの不思議な美少女は姉の高校時代のクラスメイト。
しかしある日、行方不明になってしまったという。

そしてさっき見た彼女は、当時、学園祭で姉が作ってあげた服を着ていた！
まるで時が止まったかのように、なぜかあの頃とまったく変わらぬ姿だった！

不可思議な姉の話を冗談として聞き流すヒロム。
しかし翌日、再びあの少女サエキショウコが現れ、魅入られたかのように誘われたヒロムは、いつの間にかこの世ならざるエロ妖しい世界へさまよいこむ…
いったい彼女は何者なのか…？
そしてヒロムの運命は…？

色んなタイプの作品がズラリ勢ぞろいな『くりいむレモン』シリーズの中でも、この『魔人形』は異形の1本！
シリアスかつダークなムードが全編を霧のごとく覆う本格暗黒幻想ホラーである。シリーズの中ではちょっと珍しい。
この前に作られた『新くりいむレモン PART2　ホワイトシャドウ』もホラーな雰囲気が影を落とす作品ではあったが、こちらはもっとガチでこわ暗い。

『新くりいむレモン PART2 ホワイトシャドウ』あの天才美乳職人がくりいむレモンを！

■監督：？ ■1987年 ■25分 80年代日本アニメ界における最大の甘き収穫『くりいむレモン』シリーズ！全16作にも及んだナンバリングタイトル、スピンオフや劇場版、テレビにラジ……

ストーリーはもちろん、開幕から終幕まで『エクソシスト』の『チューブラー・ベルズ』ばりに流れまくる音楽もなんか怖い。
まるで魔苗のような音色を基調とした、アザトホースが召喚されてきちゃいそうな妖しい旋律が、鑑賞後も呪いみたいにずっと耳にこびりつくことまちがいなし！

そしてエンディングのスタッフクレジットの文字までホラー専用オドロフォントを採用。作品世界を不穏に覆う暗黒幻想ムードに隙ができぬようきちんと気が配られている。
「満黒斎」というスタッフの方の名は、まんしゅうきつこ先生ばりにちょっと気になってしまったが！

では『くりいむレモン』シリーズの肝心かなめなアソコの部分「お色気むんむんシーン」に関してはどうか？
「そんなにホラーな感じの作品なら、怖くてチンチンも縮みあがっちゃうのでは？あんまりエロくないのでは？」とご心配かもしれない。
しかし安心されたし！
美橋亜矢子さん（みばしあやこ）の産んだ本作の謎めき艶めきエロヒロイン、サエキショウコたんは、そんなチンカスみたいなチンケな心配はこっぱみじんに粉砕！

強く抱いたら壊れてしまいそうな華奢ではかなげな色白スレンダーボディがエロかわいい。
押し寄せる快感を恥じらうも抑えきれずに漏れ出てしまうような控えめな喘ぎ声なんかも、ヒロムと同じくパンパンになったチンチンを抑えきれずに昇天必至。

美橋亜矢子さん自らが作画監督を担当なさった絵もとても美しい。
ビーチクがビンと勃つ瞬間のクローズアップや、コミック快楽天用オノマトペを真心をこめて実際に音声化したようなヌチュヌチュグチュグチュ音の挿入などなど、エロディテールも細かい。

特にキスシーンやフェラシーンでたびたび飛び出す、ネバネバしたツバのネッチョリとからみつくような描写には、妥協を決して許さぬ粘り強いこだわりを感じた。

濡れ場は1度だけと回数こそ少なめだが、プレイタイムはジックリクリクリと長く、満足感は多め！見応えマン点！

ラストの謎解き的な部分が大ざっぱに投げっぱな感じで、ちょっとキョトンとなってしまうかもしれないがそれもご愛嬌。
何も悪いことしてない、むしろいいことしかしてないナイスガイが、完全に容赦ない、魔訶不思議かつ大変ひどい驚愕の運命を迎えることになる「なんかやな感じ幻想ホラー」として100点満点にグッドなバッドエンドと言えるだろう。
怖ろしくも抗いがたい魔性の魅力を秘めたこの作品。まさに魔人形！