■監督:湯山邦彦
■1985年
■88分
赤いボタンを知ってるか
青いボタンを知ってるか
戦え いまがその時だ
空を見ろ 発信5秒前
(戦国魔神ゴーショーグン主題歌 『ゴーショーグン発進せよ!』より)
『アメトーク』の私的神回「昭和アニメソング芸人」で、お笑い芸人の竹若元博さんも言っておられた通り、歌詞の意味はよくわからんがとにかくなんかカッチョいいオープニングで発進するロボットアニメ『戦国魔神ゴーショーグン』。
悪の組織《ドクーガ》に密かに支配されている世界。
謎のエネルギー《ビムラー》の効果によりテレポートが可能な要塞《グッドサンダー》のチームは、この毒牙を折るべく巨大ロボ《ゴーショーグン》に乗り込み立ち向かう!
数々の名作が生まれた昭和のアニメ戦国時代で健筆をふるい続けた宇宙スペースナンバー1脚本家、首藤剛志さんの手腕が毎回毎回名刀のごとく光る、一話完結方式のスパロボアニメ。
いわゆる「ええもん対わるもん」の対立構図で描かれる作品だが、ええモンチームもわるもんチームも、メンバーたちのキャラ立ちがハンパなく魅力的だったため、本編終了後も数々のスピンオフ作品が生まれた。
特にわるもんチームの美形キャラ、塩沢兼人さんのお声が麗しすぎたブンドルさんの人気はすさまじく、アニメショップで下敷きやら何やら色んなグッズがアイドルばりに売られていた。
そんなブンドルさんでさえ、ついにはハートをぶんどることができなかったええもんチームの紅一点、みんなのあこがれ、レミー島田主演のスピンオフ作品がこの『時の異邦人(エトランゼ)』である。
ドクーガとの戦いが終結した本編終了から40年後。
病と事故で昏睡状態に陥ったレミーが見る夢の中での「死の運命」との戦いが描かれる。
軽妙なオトボケ感が特徴のひとつだった本編と違い、ダークでシリアスでアダルトなムードが漂う。
特にレミーがさまよう精神世界の描写は、モスクが立ち並ぶ中東の街のようで、異邦人感がハンパなく悪夢的に恐ろしい。
ええもんチームメイトだった真吾やキリ―はもちろん、ブンドルさん、八つ当たり用ロボを常にそばに置きことあるごとにボコボコにしてたケルナグールや、情緒不安で精神安定剤中毒だったカットナルなどのかつての敵幹部たちが、頼れる味方としてレミーに救いの手をさしのべる様はホットスル。
一本の幻想モノ作品としても非常に良くできているが、やはり本編を知っておいたほうが、キャラたちの活躍をより楽しめると思う。(全26話と短めなので機会があればぜひ!)
愛しのレミーさんやおなじみの面々が、ファンに向けて全編神作画でシー・ユー・アゲインした、見応え満点の作品です!