■監督:窪秀巳
■1986年
■58分
女子高生の沙美(サミー)は、ある日、ワンちゃんをバイクで追い回すぐらいワルモノ度が高い暴走族にからまれてしまう。
学校にまで襲撃をかけられ、絶体絶命、大ピンチの瞬間!サミーの体は異世界へワープ!
しかし、そこは恐るべき「魔」が支配する世界だった。
サミーの「ある秘密」をめぐり、今…時空を超えた壮大な戦いが始まる!
いわゆる「普通だと思ってた私が、異世界で勇者になっちゃいましたモノ」のOVA。
ちなみにタイトルに「超時空」とついてるので「超時空要塞マクロス、超時空世紀オーガス、超時空騎団サザンクロスと続き、80年代のアニメファンを日曜の午後なのにお出かけさせず、テレビの前に釘付けにした、超時空シリーズの流れをくむ作品なのかな?」と少し思ったのですが少しも関係ないもよう。
80年代ロボットアニメ界を凄まじい光芒を放ちつつ駆け抜けた『蒼き流星 SPTレイズナー』の谷口 守泰さんが、キャラクターデザインを担当。
声優も、平野文さん、池田秀一さん、飛田 展男さん、古谷徹さん、小林清志さん、小原 乃梨子さん…と超豪華。『うる星やつら』から『ガンダム』『ルパン』『ドラえもん』まで、スター声優のみなさんが時空を超えて大集合!
しかし!
大変失礼ながら、ちょっと作画が安定しないというか…谷口キャラの魅力を存分には表現できていないというか…
懐かしの80年代から見ても、さらに懐かしの70年代アニメのようなレトロな雰囲気。
ウィキペディアによると、谷口さんが「作画監督」としてクレジットされているが、実質は担当なさっていないとのこと。キャラクターデザインと、イラストの提供だけらしい。
そして、オープニングで見ることができる、淡い色彩で描かれたこのイラストが、個人的には作品の中で一番美しく感じた。
それと!
太古において、神と魔が争い、神が勝利し宇宙を創造。魔は影の存在として追いやられた。
しかし、いつかこの宇宙も終わる時が来る。
再び創造される宇宙の覇権をめぐり、神と魔の戦士は戦い続けている。
そしてサミーは実は…
…という、壮大な長きに渡るスケールの物語の世界観が長きに渡るセリフで とうとうとイッキに語られるため、正直を申すと私はイッキに飲み込みづらかった。
ちょっと個人的に「う~ん」なポイントの指摘のようになってしまったが、けっしてイヤな作品ではない。
レトロな雰囲気は、懐かしくてすごく味わい深いし、どぎつい描写がないことも、この作品にはプラスに働いていると思う。
魔界の住人たちも、『うろつき童子』や『妖獣都市』の3時のオヤツ感覚で女性を無理矢理ツマミ食いする みなさんと違い、虐げられた哀しみがあり、どこか純朴で、触手どころかチンチンもなさそうなぐらい何かカワイイのでサミーが囚われても安心!
個人的にエログロバイオレンスは大好きだが、たまにはこういうのもいい。
旅の仲間も、正統派ファミコンRPGぐらい好漢ばかりで好感度大!
鑑賞後「まるで長い夢を見てたみたい…」と、サミーと同じセリフを言いたくなるような、たった60分弱だが、自分も波乱に満ちた、しかしシッカリと実りのある旅をしてきたようなイイ気持ちになる、素敵にマイルドな作品!
- オススメ度…45/100
- 無料動画の配信…Youtube
- 有料動画の配信…なし
- ソフトのレンタル…なし
- ソフトの販売…中古のVHS