■監督:藤原カムイ?
■1985年
■25分
チョコレートのパッケージそっくりのブックデザインが衝撃だった藤原カムイ先生のマンガ『チョコレートパニック』!
欄外に描かれたパラパラマンガ。
選択肢をつけたゲームブック的展開や、セリフを排したサイレント映画風の演出。
スタローン、シュワルツェネッガー、トロン、ゼビウスなど、散りばめられた80年代カルチャーのパロディ。
パッケージと同じく、中身のほうも遊び心、実験精神に満ちてて、その美味にビックリしたものである。
基本的には、関西弁の土人トリオ、マンボ・チンボ・チョンボの3人が、色んな場所、色んな時間で、色んな珍パニックをワチャワチャ起こすという一話完結方式の作品。
しかし、このOVA版には、ストーリーというものがない。セリフもない。
原作の「地球人動説」というエピソードを下敷きに、アンビエント、ロカビリー、テクノなどなどジャンルに富んだ音楽に合わせ、マンボ・チンボ・チョンボがアニメーションしまくるというミュージックビデオ風の作品。
何といってもアニメーションが美しい!
当ブログで私はいつも「これは!」と思ったシーンを切り抜いてGIF画像にし、文中にはり、見どころとして紹介している。
しかし、本作に関しては困った。
切り抜きだしたらキリがないぐらい全編見どころなのである。
その素晴らしい作画、そして絵コンテを手がけられたのは、スーパーアニメーターの金田伊功(かねだ よしのり)さんである。
しかし正直申すと、恥ずかしながら私はラストのクレジットが出るまで気づかなかった。
どんな作品でも「あっ!ここ!金田さんの作画じゃあ!」と、いつもならたいていわかるのに。
私が見た感じだと、あの、スーパーステキなクセは本作にはあまり出ていない気がする。
宮崎作品でも『幻魔大戦』ぐらい火を吹いておられたが、今回はめずらしくセーブなさったのだろうか?
とは言え、もちろん「だからダメ」というワケではなく、クセがおさえられた、まっとうに超ハイレベルな、前述した通り全編見どころの美しいアニメーションが展開。
それだけでなく、思わず「あれっ!?」となるカラーバーからのスタートや、モノクロ演出、水彩画風アニメ、差しはさまれる実写、スタッフクレジット後のギョッとする特撮などなど…
ラストの一瞬にいたるまで、原作に負けない遊び心、実験精神に満ちたチャレンジングな 25分間!
たいへんにぎやかで楽しいピクチャーショーになっております!マンボ!チンボ!チョンボ!(この歌が耳から離れない)
- オススメ度…75/100
- 無料動画の配信…Youtube
- 有料動画の配信…なし
- ソフトのレンタル…なし
- ソフトの販売…中古のVHS