■監督:西沢信孝
■1987年
■51分
80年代に爆発的に増え、猛烈な勢いで勢力を拡大し、ありとあらゆる雑誌で暴れまくった無数のヤンキー漫画たち!
その中でも最強の、みんなひれ伏す別格の番格『湘南爆走族』!
大人気の勢いにのり、アクセル全開でリリースされ続けたOVAシリーズの第3弾は『10オンスの絆』。
湘爆のライバルチーム、地獄の軍団のリーダー権田がめずらしくガッツリと主役。湘爆は脇役。
単行本13巻の後半を全て使って収録された、あの異色の超熱血青春ボクシング回のアニメ化である。
日々、ケンカと暴走行為に明け暮れる権田は、サボりがちだったボクシング部の恩師、植村先生が退職することを知る。
何か恩返しをしたいと思う権田は、間近にせまる練習試合での勝利を贈るべく自らの出場を決意。ブランクを埋めるため過酷なトレーニングに身を投じる。
しかし、権田に恨みを持つ暴走族《壱軸冠蝶》がそれを知り、試合をつぶそうと密かに動き始めるのだった…
はたして権田は自分の「気持ちの輝き」を先生に見せることができるのか⁉︎
誰もいないはずの部室から聞こえてくる、熱い青春の残響のような、ミット、サンドバッグ、フットワーク、縄跳びの音…
このOVA版『湘爆』シリーズは本当にいつもアバンタイトルがすばらしすぎる。
このたびも作品開始のゴングが鳴ってすぐにハートに打ち込まれるシブいジャブになっている。
続いて集会帰りの権田のバイクが「PURPLE HIGHWAY OF HELLS ANGELSだ!」と言わんばかりに、夜明け前の紫色の道路を爆走するオープニングに突入する。
流れる歌はあの大友康平さん率いるHOUND DOGの『BLACKBOARD JUNGLE』!このたびのお話の雰囲気やテーマにもピッタリ!
美しい作画と大物バンドのパワフルなセッションに、期待と興奮はグングンとフォルティシモで高まっていく!
本作のストーリーは、シリアス回「10オンスの絆」の冒頭に、ドタバタギャグ神回「権田Serve you right!」(単行本12巻収録)をドッキングさせた構成になっている。
権田が集会帰りにコケて骨折、入院先に湘爆が襲撃をしかけてくるという、あの笑撃のエピソードである。
吉田聡先生のマンガのギャグの間やテイストをアニメで表現するのは、ぶりばりハードルが高いことだと思うが本作の冒頭ではこれを見事にクリア!声優の皆様の名演もあり、原作にも負けぬ見事な湘南爆笑族っぷりを見せてくれる。
特にナースに変装したマルのおかしさは原作越え。腹筋崩壊で入院注意!
そのあとでいよいよ始まる本番、シリアスラウンドの見応えは、原作通り保証付き。
自分をごまかし、一度はグローブを置こうとした権田が、恋人の葵ちゃんにズバッと図星を突かれ、ハートに再点火!
ナイスセコンドのおかげで、最初に決めた「自分の気持ちの輝き」を思い出した権田と共に拳をグッと強く握りこむことになる、まちがいのない胸熱展開!
ついに始まる試合も血と汗と涙が景気良くほとばしりまくり、あの『あしたのジョー2』にも負けぬ大迫力だ!
ところでこの『10オンスの絆』の原作を読んだ時、植村先生が校長と、そして権田との会話の中で教育論のようなものを語るシーンがあり、とても強く印象に残った。
自分から落ちこぼれたなどと言っとるのは努力が足らんのです。
でもそういうのにも熱中できるものを持っとるのがおります。
そういう自分の気持ちの輝きを忘れてはいかんと言うてきただけです。ワルは実際ワルですから…賛美しているんじゃありません。
でもワルイのがズルクなってはいかんでしょ…
校長との会話の中で語られたこの言葉。
これは、当時あった「湘爆は不良賛美ではないか?」と言う批判に対する、吉田聡先生の回答なのではないかと勝手ながら感じた。
実際、この原作は地獄の軍団が敵対する相手をシメて土下座させる凄惨なシーンから始まり、権田が教室で気の弱そうなクラスメイトの机にドッカリと腰をかけ、相手は何も言えずただ困惑している様なども隠すことなく描かれている。
ワルは実際ワルであり、賛美はされていない。
また、植村先生は権田に次のように語る。
気持ちの輝きを失ってヒキョウ者になってはいかんぞ!
弱虫をバカにして、その上にアグラをかいて、弱い者イジメで終わってしまう者は
いつかそいつの輝きに見返されるぞ
これは当時とても多かった湘爆憧れのヤンキー読者の皆様に対する吉田聡先生のメッセージだったのではないだろうか。
このシーン、OVA版もとても良い。
モノトーンの中で一部にだけ彩色がほどこされた凝った画面作り。真心を込めて描かれた葉書のような絵で、大切な言葉が権田に、そして観る者に届けられる。
ツッパリたちが泣きながら植村先生に別れの挨拶にきたり、「ありがとう」と書かれた手作り垂れ幕で見送ったりするのはあまりにもリアリティがなくベタで大袈裟すぎると感じるかもしれない。
原作ではこのシーン、もっとドライで「植村さん…元気でよ…」と、照れくさそうに言うだけであった。
また、ほっぺを引っぱったりする数々のケンカ殺法がコミカルすぎると感じるかもしれない。
このあたりは、原作者である吉田聡先生と、OVA 版の監督である西沢信孝さんとの、世代と感性の違いなのであろう。
しかし、『ロッキー』ばりの熱血ボクシングストーリーを、てらうことなく、ベタも厭わぬパワフル演出でまっすぐに描き切った渾身のストレートのようなこの湘爆OVA第3弾!
観たらきっとノックアウトされるに違いない!
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