『What’s Michael?』
■監督:長尾粛
■1985年
■50分
『What’s Michael? ②』
■監督:古川順康
■1988年
■45分
「What’s Michael?」(マイケルってなあに?)…と聞く人も、もはやいないであろう、小林まこと先生の大ヒット猫漫のOVA化作品である。
OVAだけでなく、テレビアニメ化、大会社のCMキャラクターとして大抜擢。
そして私は未見だが、なんと実写ドラマ化もされていたそうである。
ちなみに、テレビアニメ版の主題歌は、元祖バラドルの一人にして『機甲戦記ドラグナー』の第二期オープニングでその美声を銀河系に響かせた偉大なアニソン歌手でもある山瀬まみさんが担当。かわいさナンバーワンな魅力をふりまいておられる。
かく言う私も、子供の頃、父が脱サラして始めた猫の額ほどの小さな食堂に、週刊青年マンガ誌《モーニング》が置いてあり、不定期連載だった『What’s Michael?』がたまに載ってると『BE FREE』がエロ回だった時と同じぐらいうれしくて仕方なかったものである。
ちなみにそんな私はもちろん猫が好き。
もう一つの雑記系ブログ《ヨモスエ》で猫コラムも何度か書かせて頂いたことがある。
また、カバンの中には猫エサを常備。野良を見かけると、このようについつい餌付けしてしまう。↓
私が夜勤から戻ると何処からかトトトとやって来てそばにチョコンと座るのがニャンとも可愛く毎日エサをあげてるのですが、いざ撫でようとするといつもこのザマです。無敵のチャームで引き寄せては突き放すこの態度。ムム!さては君!女子だなッ?! pic.twitter.com/kq3FXb0nH9
— 倉井スエ (@KuraiSue) November 24, 2019
そのせいか正直を申し上げると、個人的には、作中でマイケルが思いっきりグーでどつかれたりするのは、読んでてちょっとツラい。
そして私は犬も好きなので、あの万年繋がれワンちゃん・伸之介の不幸っぷりもちょっとツラい。
しかし、そんな個人的な思いはともかく、ちょっとバカで、自己中で、気まぐれで、無邪気に残酷で、でもそれでも猫っかわいがりせずにおれない「猫」という不思議な生き物の無敵な魅力を、あのドッシリと力強い独特の小林まことギャグに落とし込んだ、最高の猫漫であるのは間違いない。
もうマイケルが「ウニャン」と首をかしげただけで!登場キャラの猫好きヤクザKならずとも「かあ~~わいい~~ん」と目尻を下げること必至!
そんな原作マンガをアニメ化したこのOVA。
「東宝」「東映」作品の上映開始前のあのロゴのパロディや…
別のアニメが始まったのかと思うような川尻善昭監督ばりの重厚なハードボイルドタッチで始まるリチャード・キンブルならぬ、リチャード・キンブリの『逃亡者』シリーズ。
ジャクソンのほうのマイケルばりにノリノリで歌い踊る謎の黒人少年と、猫ちゃんのほうの我らがマイケルの、実写とアニメのセッション。
『最終教師』でも、あの変声芸を堪能させてくださった俳優の竹中直人さんのゲスト出演。
そして、雨や光の使い方にも細かい工夫をほどこしたシッカリとした演出で、まるでチャップリンの上質なサイレント映画ばりにキッチリと感動させてくれる2巻のエンディングなどなど…
あの楽しい原作に、さらなる遊び心や工夫をごちゃ混ぜに加えた、みんな大好き猫まんまのような味わいの一品です!