■監督:森星輝ほか
■1989年
■48分
80年代。
JR東海さんが「東京から大阪へ向かう新幹線の最終便」に対して名づけ、オシャレCMをやたらバンバン流し、キャンペーンしまくっていたそのニックネームとは?
当時、離れて暮らす愛するお姫さまがおられた、イケてる王子さまだった方たちは覚えておられるかもしれない。
そう!
「シンデレラ・エクスプレス」である!
しゃらくせえ!
遠距離恋愛なんぞ、超特急のスピードでアッという間に終わってしまえばよろしい!
女性であれば魔法をかけられる前のみすぼらしい姿でもひざまずいて靴を舐めるのにやぶさかではない万年恋愛乞食の私の地獄のようなひがみはともかく、本作の主人公は、そのシンデレラ・エクスプレスに乗り、婚約者が待つ大阪に向かうサラリーマン。
その個室に、仲間たちからの結婚前祝いとして送り込まれてきたのは「セックスが好きだから仕事にしよう!」の理由でプロ援助交際女子高生となった、「好きなことで食べて行く」という高難度な夢とエロ男たちの夢を0秒の思考で同時にかなえてしまった すごい美少女。
しかし…一夜を共にしまくった彼女は何と!婚約者の妹だった!
原作は明るいお色気マンガの巨匠、弓月光先生のドタバタエロコメディ。1989年に週刊ヤングジャンプで連載されていた作品。
当時はたしかまだ「援助交際」という言葉はなかったような気がする。
『みんなあげちゃう♡』のヒロイン・悠乃にも負けぬ天真爛漫さで女子高生が男たちとリターンありまくりのセックスをやりまくるという内容は、今だと編集者を微妙に困り顔にさせてしまうのかもしれない。
オッパイ丸出しの単行本の表紙もすごい。青年誌連載作品でも最近はあまり見かけない。
弓月先生が「2つの作品が有害指定図書にされた」と言っておられたがそのうちの一つがどうやら本作らしい。
「みんなあげちゃう♡」の一部、「シンデレラエクスプレス」「HOT STUFF」を規制されたおかげで二十五年連載できてる漫画が生まれました(^^
主役にSEXさせなきゃいいんだろ?ってことで江戸伸介が出来たんだし。— 弓月 光 (@h_yuzuki) 2016年1月2日
10代の頃にこのOVAを観た時、ヒロインのちまが主人公の頭にバサッとスカートをかぶせてキャッキャと明るくヤリ始めてしまうシーンにガビーン!「むちゃくちゃエロい!」とショックを受けた。
続いて自由なイマジネーションで時間空間を超えて幻想的に展開するセックス描写は必見。そこでかかる挿入歌「あなたまかせのキャンディ」もムーディーでエロいい。
その挿入歌やエンディングでマイクを握り、破廉恥を武器にあっけらかんと男を手玉に取るイカす小悪魔ヒロイン・恥魔…もとい、ちまを演じたのは、後に野々村真夫人となられる 坂上とし恵さんである。
この頃はバリバリの堀越アイドルだったと思うのだが、お色気マン載の本作への出演はなかなかのチャレンジだったのではないだろうか?
しかし、バッチリはまっている。
少し鼻にかかるハスキーボイス、大阪弁をチョイチョイ繰り出してくる方言女子っぷりがカワイイ。あえぎ声も立派にちゃんとチャレンジ。
キャラクターデザイン&作画監督は『蒼き流星 SPTレイズナー』の谷口守康さん、脚本はファミコンRPG『ファイナルファンタジー』の寺田憲史さんとスタッフの皆さんもとても豪華。
しかしDVDなどにはなっておらず、中古のVHSもあまり見かけない。
だが、ションボリするべからず。
これは絶対にナイショだが現在Youtubeで視聴可能。なぜか外国の方がUPしておられるもよう。(執筆時:2019年7月1日)
ホントはよろしくないが、なかなか他の手段では見るのが難しい。
この『シンデレラ・エクスプレス』、魔法がとけるように削除されてしまう前に観ておいたほうがいいかもしれない!シンデレラだけに!
- オススメ度…52/100
- 無料動画の配信…Youtube
- 有料動画の配信…なし
- ソフトのレンタル…なし
- ソフトの販売…中古のVHS…もほとんど見当たりません
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