『メタルスキンパニック MADOX-01』 パワードスーツと戦車が新宿のド真ん中でガチンコバトル!

■監督:荒巻伸志
■1987年
■41分

 

カッチョいい「パワードスーツ」と、みんな大好きたたかうくるま「戦車」が新宿のド真ん中でガチンコバトル!まるでアニメみたいな夢のSFアクション!

 

 

バイト生活の貧乏学生・紘二(こうじ)が、ひょんなことから軍の最高機密のパワードスーツ《マドックス》をゲット。
興味にかられて着たはいいものの、脱ぎ方、操縦方法がちんぷんかんぷん。
そのまんま外に繰り出してしまい『マジンガーZ』のほうの こうじ方式で、焦れば焦るほど大破壊!街は大パニック!

 

 

日本政府とアメリカが協力し、軍事産業の総力を上げて開発したこの超兵器の暴走を阻止すべく、生みの親の美人博士と、地獄のベトナム帰りの戦争大好きキチガイ中尉(その名もキルゴア!)が戦車に乗り込み、自衛隊を引き連れて立ちはだかる!

 

 

 

しかし、パワードスーツに閉じ込められた彼には、すべてを蹴散らしてでも行かねばならぬ理由があった。
そう!「留学するしない」で絶賛別れ話をこじらせ中の彼女を新宿で待たせているのだ!

 

パーツのナンバーまで細かく描き込まれたメカがメチャメチャ動きまくるオープニング。
アニメファンならきっと開始数秒のここでもう「あっ!この作品はたぶん凄い…」と思うだろう。
そして最後までその期待が裏切られることはない。
ちなみにこのツカミはOKなオープニングは庵野秀明さんが手がけられたらしい。

 

 

その庵野さんが監督した『トップをねらえ!』の、あの燃えるガンバスター合体シーンなどで手腕をふるいまくった合田浩章さんも作画に参加。当然、アクションの迫力は保証付き。こちらも良くってよ!
特にクライマックス。
『デビルマン 妖鳥シレーヌ編』でも戦いのリングにチョイスされた「新宿NSビル」でのマドックスと戦車の重厚な鋼鉄タイマンは必見。
オシャレハイテクビルを廃墟に変える凶悪な破壊力のぶつかり合いの中に知略もキラリと光る、アッと驚く見応え満点の見せ場になっている。

 

そんな迫力バトルシーンの連続の中に、パワードスーツを着たままでコンビニ弁当を食べようと奮闘したり、公園で途方に暮れたり、迷子になって駅の道案内を見たり、ゆるいユーモアがちょいちょい差し込まれるのもいい。

 

 

だいたい主人公の目的が「国とか軍の事情なんか知らん。彼女に会いに行きたいだけ!」というのがいい。もちろんその彼女は『くりいむレモン』に出てほしいぐらいの美少女だ。

 

 

部屋に積まれたVHSビデオテープの「BOØWY」と書きこまれたラベルや、壁にはられた『地獄の黙示録』のポスターなど、背景も思わずニヤリな細かさ。
鋼の塊のような重たいパワードスーツと戦車のバトルものだが、作品は重くならず、気軽に楽しく観れるテイストに仕上がっている。41分という短さだが大満足まちがいなし!
このメタルスキンパニックに安心してワクワク巻き込まれよう!

 

  • オススメ度…82/100
  • 無料動画の配信…Youtube ニコニコ動画
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