『アイ・シティ』 これは夢なんかじゃない…こいつは…SFだ!

■監督:真下耕一
■1986年
■86分

 

日本が誇るSFマンガ家、板橋しゅうほう先生の作品を初めて読んだのは、たしか中学の頃。
『凱羅』(がいら)だった。

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兄が、私は1ページぐらいで頭がパンクしそうになったサイバーパンク小説「ニューロマンサー」などもスイスイ読みこなすようなインテリSFファンで、本棚にはハヤカワ文庫のSF作品がギッシリ。遠目からだと水色のモノリスに見えるぐらいギッシリ。
そんな兄が板橋先生の代表作とも言える『凱羅』を貸してくれたのである。

 

それまで目にしたことがなかった、アメコミっぽい絵や、擬音、リズムに、最初は多少のとまどいを覚えた。
しかし!
お寺に封印されている謎の虫「凱羅」!
これに刺されると、『遊星からの物体X』もビックリなぐらい体をデロンデロンに変形させることができる怪物パワーをゲット!
この「凱羅」の秘密をめぐって繰り広げられるグチョグチョ変てこバトル展開に、最初のとまどいも忘れていつしか夢中!
己の弱さに強いコンプレックスを持っていたイケてなかった当時の私は、毎晩、寝床で天井の木目を凝視しつつ「デーモンに合体されてえ~」「ガイバーユニット拾いてえ~」「バオーに寄生されてえ~」と考えたものだが、ここに新たに!「凱羅に刺されてえ~」という願いも加わることになったのだった。そして今も願っている!

 

そんな、SFにたいして明るくない暗い中学生も虜にした板橋先生のもう一つの代表作「アイ・シティ」!
そのアニメ化である。

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OVAとして製作されたが、全国の映画館でも上映された。
また、バラエティー番組の歌のコーナーで、ヒロイン・アイの声優も担当した上田由紀さんが、この作品の主題歌を「そこはアイ・シティ~♪」と熱唱しているのを運よくたまたま見かけ「板橋さんの作品の歌が…テレビで流れとる…!」と、マニアックだと思ってたモノが突然お茶の間に飛び出してきたようなSF(すごい 不思議)な感じがして、ビックリしたのを覚えている。(Youtubeで検索したのですが、ありませんでした。夢だったのでしょうか!?)

 

筒状の世界に、異なるレベルの進化を遂げた社会が、階層状にいくつも並んでおり、進化を誤ったフロアは上のフロアに押しつぶされてしまう…
そしてその筒状の世界自体も実は…!
世界の秘密を握る少女・アイをめぐり、激しい戦いが繰り広げられる!
…というのが原作のだいたいのストーリー。

 

 

このOVA版には改変が加えられており、SFにそんなにくわしくなくても、非常に見やすい作り。
しかし、超能力の強さが額にわかりやすく表示される「ヘッドメーターズ」や、体の108ヵ所のツボにチューニングがされ、破格のパワーを身に着けた「チューンドマン」などなど…
板橋先生が途方もない宇宙スケールのイマジネーションで創造した奇天烈ビジュアルのキャラクターたちはキチンと再現。

 

 

敵対していた相手との和解&アガる共闘や、原作とは違うが、映画らしいド派手なクライマックスも用意されている。

 

正直を申すと、私はあの終わり方は、劇中のライデンさんと同じく「いったいどうなってんだ!?」…と、ちょっと思わないでもなかったのですが…
これは…「○○オ〇」みたいなものってこと?
いや!
これは夢なんかじゃない!
こいつは…SFだ!

 

とにもかくにも、板橋しゅうほうワールドの貴重なアニメ化作品。
「今日はちょっとSF作品が観てみたいな…」
そんな気分の時にぜひ!
今夜はSFの夜だ!

 

  • オススメ度…68/100
  • 無料動画の配信…Youtube
  • 有料動画の配信…なし
  • ソフトのレンタル…なし
  • ソフトの販売…中古のVHS、DVDがたまに…ない!