■監督:押井守
■1987年 ■30分 トワイライトQシリーズ第二話となっているが話はまったく無関係)
郊外のボロせまいアパート。
その一室で同居する中年男と少女。少女はなぜか飛行機のことを「おさかな!」と呼ぶ。
そしてそのはるか上空では、飛行機の謎の失踪事件が相次いでいた…
はるか懐かし80年代、ファミコンとオナニーしかしてない激烈バカだった発売当時にも観た。サッパリわからなかった。
少しは賢くなったはずの今、観なおしてみた。
セリフの聞き取りに眉間にシワよせながら話は何とか追えるものの、深いところ(?)までは、やっぱりサッパリわからなかった。全然賢くなってなかった。私はやっぱりバカだった。
そして当時と同じくやっぱり凄まじく面白かった。
別にわからなくても、 デヴィッド・リンチの「マルホランド・ドライブ」や鈴木清順の「ツィゴイネルワイゼン」などと同じように「わからなさ」「摩訶不思議さ」を楽しめばいい。
脳髄グラグラ揺さぶられるドグラマグラな30分。すこぶる短いのもいい。
作画も非常に美しい。特に冒頭の飛行機がウロコまみれになるシーンは強烈だ。
そして、ムズかっこいいセリフの連打、昼間に見る悪夢のように何か怖い日常の風景、こだわりのフード描写、いつも素晴らしい川井憲次さんの音楽などなど…押井ズムがギュッとつまった魅惑の短編OVA。