■監督:山崎理
■1987年~1988年
■Ⅰ 破獄の章 40分
■Ⅱ 鬼哭の章 50分
■Ⅲ 炎情の章 45分
時は戦国。
天空高く禍々しきホウキ星が長く尾をひく頃。
織田信長は、よこしまなる人外の力を借り天下統一を目論んでいた。
魔王信長討つべし!先祖より受け継いだ妖刀を手に、3人の忍びが立ち上がる!
生まれ育った村を焼きはらった信長への復讐に心を燃やし、女を捨て、人魔入り乱れる阿修羅地獄のような戦いに身を投じる男装のヒロイン・綾女(あやめ)。彼女が最後に知る驚愕の真実とは…?
教科書には絶対に載っていない裏戦国史、OVA忍法帖!
ほうき星(天保時代に最接近したと言われるハレー彗星)が、戦国時代の城の上に長く尾をひいている絵がインパクト大。
そのドラマチックな舞台設定の中を、大貫健一さんがデザインした凛々しいキャラクターたちが、3部作通してまったく崩れることのない安定した美しい作画で華麗に駆け抜ける!
特に戸田恵子さんが演じたヒロイン・綾女の麗しさときたら!
当時、アニメ誌の人気キャラ投票的企画などで常に上位に斬り込んでいたのも納得。男女問わず魅了されること間違いなしである。忍法メロメロの術でござる。
彼女が命を賭けた戦いの果てに「ある人物」から残酷に長々と告げられるこの戦国奇譚の真相には、きっと涙を禁じ得ないだろう。
そして、その麗しの大貫キャラたちに「これでもか!」と次々襲いかかってくる、80年代ナンバー1モンスターマイスター・わたなべぢゅんいちさんデザインの魔物軍団も見もの。
せっかくチンチン型のうごめく卑猥なデザインのモンスターも出てくるし、作品全体の印象として、もう少し、エロス、バイオレンス描写をハードにしても良かったかも?…とは正直ちょっと思った。
しかし、これはあくまで、18禁グチョヌルアニメ「うろつき童子」を18歳以下の時にピンクのノレンをくぐり、アダルトコーナーをウロウロうろつき童子して借りてしまうような私の好み。
作品は人気を獲得、「物語は続くが作品のリリースは続かない」という「80年代OVAあるある」もバッサリ斬り倒し、見事に着地。3部作でキチンと完結。そしてそれを1本の作品にまとめたものが劇場公開もされた。
また、NINJA好きな海外ではさらに評判が高かったようで、日本では無かったDVDのリリースもされている。