「銀河英雄伝説 わが征くは星の大海」 日本SFの大海を今なお威風堂々と征く《銀英伝》初のアニメ化作品

■監督:石黒昇
■1988年 ■60分

銀英伝の人気は今もすごいが、当時もモノすごかった。
田中芳樹さんの生み出した宇宙は、SF、マンガ、アニメ界にビッグバンのように瞬く間に広がり、あまたの人々を飲み込み、虜にしていった。

SF考証にうるさい私の知人も「宇宙に上も下もあるか!おかしいだろ!」とか「なんであんなドイツ人ばっかなんだ!おかしいだろ!」とか文句ばっか言ってるわりに本棚に原作全巻きっちりズラリ。
私が貸したこのOVAも「何でみんな直立不動なんだ!おかしいだろ!」とか言いつつ、なかなか全然返してくれないのであった。おかしいだろ!

銀英伝、初のアニメ化が本作である。
序章として文句のつけようのない完成度。劇場公開(最終教師との併映)されたのも大納得のハイクオリティだ。
以降、100話以上に及ぶ、あの長いOVAが順次リリースされていくことになる。

アホな上官のアホな判断で戦況がメタメタになるという「戦争モノあるある」で視聴者をヤキモキさせ、「ヤンやラインハルトは、いったいどんな策で乗り切るつもりなの?」というミステリー要素で興味を持続。
納得の種明かしと鮮やかな勝利。アホ上官ショボン!…というキッチリとカタルシスの味わえる丁寧な作りにうなる。

野田卓雄さんや兼森義則さんが参加した作画もすばらしく、奥田万つ里さんがデザインしたキャラクターたちが美しい。一兵士にいたるまでキャラ立ち完璧。声優も超豪華。
ヤン役の富山敬さんも、オーベルシュタイン役の塩沢兼人さんも亡くなられてしまった。寂しい。本当にお二人とも最高にピッタリであった。

ボレロに合わせて格調高く繰り広げられる第4次ティアマト会戦で、ミラクル・ヤンが見せる奇跡に陶酔するべし!

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