■監督:江幡宏之
■1989年
■45分
数々の才能ある作家のみなさんが作品のクオリティを向上させ、人気を獲得し、生き残っていくべく、日々お互いに切磋琢磨し、シノギをけずり合うマンガ界。
この輝かしくも恐るべきリングで『高校鉄拳伝タフ』やその続編『TOUGH』など、筋骨たくましいタフガイたちが大活躍する作品で不動の人気を獲得し、もちろん今なお現役バリバリで戦い続けておられるマンガ界のタフガイ・猿渡哲也先生。
私の猿渡ワールドとの衝撃の出会いは小学校低学年の頃。週刊少年ジャンプに連載されていた先生のデビュー作『海の戦士』というサーフィン漫画である。
この作品がどのぐらい衝撃だったかは、以前に別のコラムで書いたので詳細は省かせて頂くが「サーフィン中に一番出会いたくないもの」がメガサイズで山盛り登場する展開にチビること間違いなし。
全2巻。…ということは人気アンケートの順位が低ければ10週で打ち切りになった当時の少年ジャンプの容赦せん編集方針という荒波は越えられなかったようなのですが、私は夢中で読んでいた。
未読の方は、よろしければそのコラムともどもぜひご一読を!↓
『ドッグソルジャー』は、そんな猿渡先生の大ヒット作。
凄腕の元グリーンベレーだが、ワケあって今はロリコンアニメの色塗りなどのバイトをシコシコがんばっているナイスガイなフリーター、ジョン・キョースケ・飛葉の大活躍を描いたバイオレンスアクション。
誇り高き野良犬魂で「国の飼い犬にはならん!」と、腕を見込んだ政府の依頼や大金の報酬にはそっぽを向くが、弱き者、愛する仲間の誇りのためなら命を賭してミッションに挑む!
ワイルドなアクションだけでなく『ゴルゴ13』ばりに世界情勢などからヒントを得た重厚なストーリーにうなる。
レーガンやゴルバチョフなどなど…実在の人物の思わずニヤリなソックリさんも大挙登場。
コウモリをあやつったり、超能力で空中浮遊したり、お師匠の平松伸二先生の『ブラックエンジェルズ』ばりに敵の能力がだんだんジャンプしていく暴走っぷりもワイルドで楽しい。
そしてもちろん猿渡先生必殺のエグいバイオレンス描写も随所に炸裂!
トドメの決めゼリフは「地獄でザンゲしやがれ!」、悪党どもの決め断末魔は「ひゃん!」だ!
そんな『ドッグソルジャー』のOVA。
新型ワクチンをめぐる武器商人との戦いと、ジョン・キョースケ・飛葉の過去をからめ、鑑賞後、サブタイトル「 SHADOWS OF THE PAST」の意味が暗く浮かび上がってくる、原作よりも切なさ度高めのシブい物語を、数多くのOVAを手がけられた名脚本家の会川昇さんが見事に作り上げた。梅津 泰臣さんが参加なさった作画も美しい。
主人公・飛葉役の神谷明さんは、状況によってコミカルとシリアスがクルクルと交錯し、キメる時はばっちりとキメる冴羽遼方式のカッチョいい演技を披露。ベテランの頼もしさ。
そしてクライマックス。
このジャンルの待ってましたのお約束「決戦前の武装儀式」の見事に決まったカッコ良さにマンマとまいってしまったらこう言おう!
そう!
「ひゃん!」と!
- オススメ度…68/100
- 無料動画の配信…youtube
- 有料動画の配信…なし
- ソフトのレンタル…なし
- ソフトの販売…中古のVHS
『海の戦士』
個人的に超オススメ!君は見たか?恐怖の「サメサーフィン」を!